巷でウワサの謎の言葉“クレイジーサイコレズ”って何だ?
公開日:2013/11/22
そんな百合もの界隈で、最近ある言葉を見かけるようになりました。そう“クレイジーサイコレズ”です。
狂っている(クレイジー)病的な(サイコ)女性同性愛者(レズ)という、なんだかとてつもなく危険な気配のする単語が組み合わされたこの言葉。おもに二次創作分野で、その文字が示すとおり、ヤンデレ系レズキャラのなかでも特に危ない行動を見せるキャラクターたちに対して使われています。
この危険な言葉の発祥は、インターネット掲示板「ふたば☆ちゃんねる」(以下ふたば)の二次元裏板と言われています。当初はpixivのタグとして使われるなど、局所的なブームだったクレイジーサイコレズが爆発的に流行する原因となったのは、おそらく『ドキドキ!プリキュア』第2、3話。この話ではメインキャラクターの菱川六花が、初めてキュアダイヤモンドへと変身するまでが描かれているのですが、六花のキュアハート=相田マナに対する強い友情(といっても、あくまで親友レベルです)が垣間見えるシーンがありました。その辺りをクレイジーサイコレズと表現する書き込みがふたばで登場し、幅広い知名度と人気を持つ『プリキュア』作品に関する感想ということもあって、ネット上でさらに広がっていったと推測されます。
そして、この流行を決定的にしたものが『艦隊これくしょん』(以下『艦これ』)に登場する軽巡洋艦・大井のなりきりTwitterアカウント「ガチレズ大井bot(https://twitter.com/oi_bian)」です。
botと名乗ってはいますが、プログラムされて自動投稿する従来のものとは異なります。手動で更新されているその投稿内容は、大井が姉妹艦である北上に対して凄まじく濃いレズっぷりを見せるというもの。まさに“クレイジーサイコレズ”と呼ぶにふさわしいその有り様は『艦これ』二次創作界隈のみならず広い範囲に衝撃を与え、クレイジーサイコレズという言葉をさらに浸透させることとなりました。
こうして多くの人に知られることとなったクレイジーサイコレズ。もちろん今期のアニメにも、そんな概念にピッタリと言われている女の子達がいます。
●一条蛍(『のんのんびより』より)
田舎を舞台にした日常系アニメとして大人気な『のんのんびより』に登場する、非常に発育のよい小学5年生の女の子。彼女が視聴者から“クレイジーサイコレズ”と呼ばれるようになったのは第2話「駄菓子屋にいった」が発端。この話で、蛍は登場キャラクターのひとりである越谷小鞠に過剰にも見えるかわいがりっぷりを見せ、視聴者に衝撃を与えました。あくまで小動物をかわいがるそれに近い接しかたではあるようですが、それ以降も小鞠を模した人形を大量に作るなど、危険な顔を覗かせています。
●煌坂紗矢華 (『ストライク・ザ・ブラッド』より)
中二要素全開のラノベアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』に登場するヒロイン。同じくヒロインの姫柊雪菜を非常に大切に思っており、そのことが原因で主人公の暁古城を激しく敵視し、本気で襲いかかるほどです。ただ、煌坂紗矢華は、面と向かって美人と言い放った古城に対して想いを寄せる可能性もあり、むしろ「ちょろいん」かもしれません。
●龍造寺茜(『ワルキューレロマンツェ』より)
同名のアダルトPCゲームが原作の『ワルキューレロマンツェ』に登場するキャラクターです。主人公の水野貴広のクラスメイトで、ヒロインのひとりである希咲美桜とも親友関係。真面目で凛とした大和撫子なのですが、やはりヒロインである生徒会長のスィーリア・クマーニ・エイントリーのことを神聖視しており、過激な妄想など当たり前。本人を前にすると気絶までしてしまうというクレイジーっぷりです。全裸の彼女とスィーリア会長がふたりきりで風車小屋に閉じ込められる第7話は、今期ナンバーワンの衝撃回として各所に波紋を呼びました。
ここまで簡単ではありますが、クレイジーサイコレズについて見てきました。本記事を読んだ読者のみなさんの“クレイジーサイコレズ”に対する疑問が解消してくれたなら幸いです。
ただ注意してほしいのは、クレイジーサイコレズはあくまで視聴者の感想や二次創作分野での表現のひとつとして使われていること。何でもかんでもクレイジーサイコレズ扱いしていると、そのヒロインがうっかり(?)男主人公にデレてしまった場合にガッカリしてしまうかもしれません。もちろん、なかには絶賛公開中の大ヒットアニメ映画の“あの”キャラクターのように、クレイジーサイコレズを超える“ギャラクシーゴッドデビルレズ”に進化してしまう場合もありますが……。
(文=ひろきら)