マクロスシリーズの河森正治が放つ、前代未聞のオリジナルアニメ!『ノブナガ・ザ・フール』

アニメ

公開日:2013/12/18


 12月も半ばを過ぎ、いよいよ年が明ければ2014年1月期の新番組が一斉にスタートする時期。激戦が予想される冬アニメの覇権を握るのは、どの作品か? 今回は、冬の新番組の中でも、河森正治&サテライトが放つ新プロジェクト『ノブナガ・ザ・フール』をピックアップしてみよう!

 さて、この『ノブナガ・ザ・フール』だが、シリーズ開始から30年の時を越え今なお進化し続ける『マクロス』シリーズの生みの親であり、00年代にはテレビCMで流れた「あなたと合体したい」のフレーズとともに大ヒットした『創聖のアクエリオン』などを手がけ、常に斬新なロボットアニメをクリエイトしてきた河森正治が、原作・シリーズ構成・メカデザインを手掛けるとあって、各方面から注目を集めている。我々ツイアニ取材班も、先日東京・竹芝で行われた第1話先行試写会へと潜入して来た!

【豪華キャストにオンエア前からファンの熱い視線!】


左から、宮野真守さん、櫻井孝宏さん、梶裕貴さん、茅原実里さん。

 会場に着くと、既に開場待ちのお客さんでいっぱい。人気漫画やラノベ原作でないアニメオリジナル作品で、この集客力は……と思ったが、上映前の舞台挨拶に登壇するキャストの顔ぶれを見て納得!

 主人公オダ・ノブナガ役の宮野真守、アケチ・ミツヒデ役の櫻井孝宏、トヨトミ・ヒデヨシ役の梶裕貴。そして本日の紅一点、イチヒメ役の茅原実里と、ずらり並んだ豪華声優陣。
 特に、宮野・櫻井・梶、お三方に送られる女性ファンからの声援は凄い。その3人が、野望を胸に戦国時代を生き抜く盟友を演じるとあっては、男子ならずとも胸がワクワクするのは無理もないかもしれない。

【多次元プロジェクトとは?】

 ちなみに、各人が演じる主要キャラは、その名の通り、歴史上に実在した人物がifの世界に転生(?)した姿。我々が知っている偉人たちに着想を得たキャラクターが、ロボットに乗って闘うというのが『ノブナガ・ザ・フール』の世界だ。  しかも、この『ノブナガ』は「多次元プロジェクト」と銘打って、テレビアニメ版のみならずメディアを横断した様々な展開が計画されているのだ。まずは、アニメに先駆けて舞台でのライブアクトを実施。実際のアクターの演技に合わせて、ステージで声優が声をあてるという、初めての試み。実は、この上映会と同じ日に、その第1回公演が行われ、そのまま主要キャストが舞台挨拶に駆けつけたというわけだ。

【ハイテンションの男性陣に、負けじと茅原さんも!】

 そんな舞台の興奮もさめやらぬ声優陣のトークからイベントがスタート。挨拶の時点で気合い充分な男性陣に、紅一点の茅原さんも負けじとお茶目なポーズを決めるノリノリのオープニング。
 終わったばかりの舞台に関しても「リアルタイムで役者さんに声をあてるという初めての挑戦、どれだけ役者さんとシンクロできるかチャレンジだったんですけど、気持ちよかったです」と、手応えばっちりの宮野さん。櫻井さんも「バシッと決まった瞬間には、アドレナリン出まくりました!」と感慨を口に。これは4月に予定されている2回目の公演も期待出来そうだ。


お互いのトークにツッコミを入れる男性陣。本日のコスチュームは舞台で着用していたもの。

【それぞれが演じる役については──】


宮野真守(オダ・ノブナガ)
「『ノブナガ・ザ・フール』は、天下の大うつけ者という歴史上のイメージそのままに、あの信長がもしロボットに乗ったら……という斬新な作品。僕自身、人生で初めてノブナガを演じる事が出来て、すごく楽しいです!」


櫻井孝宏(アケチ・ミツヒデ)
「ミツヒデはクールで頭がいい感じですが、そんな皆さんが持っているイメージを損なわず、さらに大きく膨らませて行ければと思っています」


梶裕貴(トヨトミ・ヒデヨシ)
「先ほどの舞台では、アニメの前日譚という事もあって、ノブナガに対して噛み付くようなキャラクターだったんですが、アニメ本編では主君に忠実な、あの“サル”になります。個人的には、いつ草履を暖めるのかが楽しみです(笑)」


茅原実里(イチヒメ)
「イチヒメは、東の星一番の美女。そして、大うつけと呼ばれたノブナガを唯一理解している聡明で芯の強い女性。ノブナガの妹なんですが、お姉さんのように見守る役です」

 ここでキャスト陣は退場。いよいよお待ちかねの第1話の先行上映!

【いよいよ待望の1話、その世界をちょっぴりご紹介!】

 これは世界が東と西、2つの星に分かたれていた時空の物語。世界が戦乱の渦中にあるなかで、西の星の少女、ジャンヌ・カグヤ・ダルクは、星を救う「救星王」誕生のビジョンを見る。東の星の若武者オダ・ノブナガは、矛盾に満ちた乱世を統一する力を欲していた。彼らが選択するのは、救済か、それとも破壊か。二人の運命が巡り会ったとき、世界変革の物語が幕を開ける!

河森正治の語る『ノブナガ・ザ・フール』のツボ!】


『ノブナガ』の世界観、そして革新的なメカ描写について熱く語る河森氏。

 イベントの最後を締めくくるのは、原作・シリーズ構成・メカデザインと『ノブナガ』プロジェクトを統括する、河森正治氏のトークショー。佐藤英一監督を信頼し「あえてビデオ編集には立ち合わなかった」という河森氏。実際に観客とともに大画面で第1話を観て、「キャラの生き様の格好良さは、正に英一節」と、その熱さに感激。「新しいものが始まりますよ!」と断言していた。

 さらに『ノブナガ・ザ・フール』に登場する大イクサヨロイの見どころはズバリ、アニメ界初とも言える「リアルな関節駆動」表現にあるという。
 河森正治氏といえば、『超時空要塞マクロス』でアニメ界初の「完全変形」を謳ったバルキリーを生み出して以来、ロボットのリアルな変形に打ち込んで来たメカデザイナー。そのこだわりは、番組開始前には必ず、自ら主役メカのモデルをレゴブロックで制作し、実際に変形して無理が無いかを検証するほどだ。

 そんな河森氏が今回挑んだのが、人間のように関節が動くリアルな骨格を持ったロボット。イクサヨロイの作画はすべてCGで行われ、手描きのような「作画上の嘘」を排除しながらもスムーズなアクションを見せる。つまり、元となるデザイン~3Dモデルの時点でそれを可能とさせる、構造になっているのだ!


会場ロビーに展示してあった「イクサヨロイ」。
このスタイリッシュなフォルムを見よ!


横からのアップでディティールもチェック。
アーマーが肩関節に干渉しないようになっている。

 戦国+ロボットバトルという斬新な世界観、熱いキャラクター、そして革新的なメカデザインと、見どころたっぷりの『ノブナガ・ザ・フール』。声優ファンの女子から、メカマニアの男子まで楽しめる内容となっている。いざ、アニメの新次元を拓く瞬間に立ち合うべく、来年1月からのオンエアを刮目して待て!

ノブナガ・ザ・フール

公式サイト:
http://www.nobunaga.tv

【メインスタッフ】
原作 :「多次元プロジェクト“The Fool”

原作・シリーズ構成・メインメカデザイン:河森正治
監督:佐藤英一
キャラクター原案:カズキヨネ
キャラクターデザイン:丸藤広貴
アニメーション制作:サテライト
製作:ノブナガ・ザ・フール製作委員会

【キャスト】
オダ・ノブナガ:宮野真守
ジャンヌ・カグヤ・ダルク:日笠陽子
アケチ・ミツヒデ:櫻井孝宏
トヨトミ・ヒデヨシ:梶裕貴
レオナルド・ダ・ヴィンチ:杉田智和
イチヒメ:茅原実里
ヒミコ:東山奈央
ガイウス・ユリウス・カエサル:中村悠一
ネル:木戸衣吹
ビアンキ:石田晴香
オダ・ノブカツ:島﨑信長
ウエスギ・ケンシン:七海ひろき
タケダ・シンゲン:小山力也
アレクサンダー:中井和哉
マゼラン:松岡禎丞

(取材・文=柳井洋二)