「冬アニメは不作」って本当!? 過去10年間の冬アニメを調べてみた

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更新日:2014/2/26

冬アニメが始まって1カ月半が経ちましたが、みなさん、お気に入りアニメは見つかりましたか? え? 例年通り冬アニメは不作だった? それはもったいない、あの姉妹が○○だったアレとかヒロインが○○という衝撃の展開なアレとか、ここに来て一気に面白くなってきたアニメも多いのに…。

さて、この「○アニメは不作」というフレーズ。毎クールごとに見かける気もしますが、本当なのでしょうか。筆者個人的にはなんだかんだで毎クールお気に入りのアニメが数本あるため、このフレーズを聞くたびに少し違和感を覚えてしまいます。

そこでほかのシーズンはさておき、ひとまず「冬アニメは不作」が本当なのかどうか、過去10年間を振り返ってみましょう。

○2013年(冬)
『ラブライブ!』が大きな盛り上がりを見せた2013年

まだ記憶に新しい2013年は『ラブライブ!』が大ブレイクを果たしました。一般層にまで人気が波及した春開始の『進撃の巨人』がなければ、『<物語>シリーズセカンドシーズン』と並んで2013年の顔になってもおかしくなった1本です。ほかにも冬は『たまこまーけっと』や『ちはやふる2』2クール目など、やや地味ながら丁寧な作品が多かったですね。


▲雌伏の時を経てアニメを機にブレイクした『ラブライブ!』。2014年4月から始まるアニメ第2期にも期待が集まります。

○2012年冬
強力打線の中でもキラリと輝いた『偽物語』の2012年

2012年は春に『Fate/Zero 2ndシーズン』、夏に『ソードアート・オンライン』、秋に『ガールズ&パンツァー』と並ぶ強烈な一年でしたが、冬の『偽物語』もそれらにまったく引けを取らない存在感を放ちました。存在感という点で言えば、今でもネット上で話題にされがちな『キルミーベイベー』や『戦姫絶唱シンフォギア』、そして『スマイルプリキュア!』といった作品も冬に始まった作品です。

○2011年(冬)
これぞ覇権アニメ! 『まどマギ』に湧いた2011年

本来ならクール1クラスのヒットなった『IS<インフィニット・ストラトス>』もありますが、2011年冬と言えばやはり『魔法少女まどか☆マギカ』に触れないわけにはいけません。魔法少女というモチーフとかけ離れた驚愕のストーリーは話題を呼び、社会現象にまでなりました。あれ? なんだか冬アニメ、不作どころかかなり傑作揃いな感じもしてきました……。


▲劇場版なども経て、現在も超人気の『魔法少女まどか☆マギカ』。まさに2010年代を代表する一作です。

○2010年(冬)
『デュラララ!!』が奮闘した2010年

2010年冬に始まったなかでは、特に女性にウケた『デュラララ!!』が最大のヒット作。それでも『Angel Beats!』や『けいおん!!』があった春クールに比べると、やや小粒な感は否めません。2月には『涼宮ハルヒの消失』が公開されましたが、これは映画ですし、ノーカウントでしょう。

○2009年(冬)
秋からの継続組ばかり目立っていた!?2009年

『RIDEBACK-ライドバック-』や『鉄腕バーディーDECODE:02』といったマニア受けする作品もありましたが、ヒットと呼べそうなのは『続 夏目友人帳』のみ。筆者も2008年秋から始まった『とらドラ!』や『CLANNAD AFTER STORY』、『機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン』の2クール目に夢中になっていた記憶があります。これは不作と言われても仕方ないかもしれません……。


▲良作という言葉がふさわしい『夏目友人帳』シリーズ。これまでテレビシリーズ4本に加えて、OVAも制作されています。

○2008~2004年(冬)
少し地味だったかもしれない!? 2008~2004年

残り5年は目立った作品をピックアップします。2008年は『ARIA The ORIGINATION』、2006年は『Fate/stay night』、2005年は『魔法先生ネギま!』、『AIR』、2004年は『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』辺りが冬開始アニメのヒット作。しかし、その年を代表するような“覇権アニメ”だったかと聞かれると、2005年の2作を除けばやや疑問がありますね。

こうして10年を振り返ってみると、2011年の『まどか☆マギカ』を境に、冬アニメにも大ヒット作が続々と出始めたのがわかります。かつては「冬アニメは不作」だったかもしれませんが、むしろ今は「冬アニメこそヒット作が生まれる」とまで言えるかもしれません。

この新たな法則を考えると、そろそろ折り返し地点を迎えた2014年冬アニメからもヒット作が生まれる気もしてきます。まだまだ冬アニメから目が離せませんね!


▲2014年冬アニメでヒットしそうなのは、『中二病でも恋がしたい!戀』、『ウィッチクラフトワークス』、『鬼灯の冷徹』、『未確認で進行形』が有力?

(文=はるのおと)