行けば絶対に面白い! 可愛い“男の娘”のいるお店を取材してみた!

アニメ

公開日:2014/3/5

とらのあな
今年の7月からアニメ放送が予定されている『ひめゴト』はご存じだろうか? 男の娘が主人公のこの作品。可愛すぎる男の娘と個性豊かな生徒会メンバーが繰り広げる学園ラブ?コメディだ。


試しに筆者も読んでみたが、何かに目覚めそうだった…。

そんな男でありながら、もはや女の子より可愛かったりもする男の娘がいま新たなブームを迎えようとしている。編集部の情報によると、新宿二丁目だけでなく、秋葉原や浅草にも男の娘や女装子さんに会えるお店があるという。なぜ男の娘は人気なのか? その秘密を探るため、可愛い男の娘がいるという都内のお店を取材してみた。

まず最初に訪れたのは、秋葉原にある『男の娘カフェ&バー NEW TYPE』。
2009年5月にスタートしたこのお店は、今年2014年5月で5周年になる老舗だ。

ドアを開けると、美人の男の娘が迎えてくれた。


▲名前は「ちあき」さん。このお店の副代表。

■男の娘のお店を作ろうと思ったきっかけは?

ちあきさん「お店を作ったのは、代表の【茶漬け】さんです。秋葉原にはゲーム・アニメ系コスプレの延長としての女装文化があったのと、「秋葉原といえばメイド!」という発想から、メイド+男の娘をコンセプトにしたお店って他に無いのでは?と思い、作りました。
“女装子”という呼び方もありますが、新宿方面でできた言葉でもあるので、差別化するためにも“男の娘”という表現を使っています。NEWTYPEの男の娘たちは、女装を「性的なもの」ではなく「ファッション」として捉えていて、女装に対する考え方もすごくライトだったりします。男の娘=“超絶可愛い女装男子”というニュアンスで、そんな男の娘が売りのお店です」

■運営者として、気を配っていることは?


▲店内は和気あいあいとしており、活気に溢れている。

ちあきさん「キャストには、キャラは作らず自然体で!と言っています。でも、女装している限りは、男らしさが出過ぎないように、残念だなと思われないように、服装に合った立ち振る舞いをするように心がけています。当店では、他のお店と少し違い、お客さんには、知らない人の隣であっても、カウンターに詰めて座ってもらうようにしています。男の娘を見に来たお客さんたちが一緒にいることでキャストが共通の話題をしやすく、また、常連さんが初めて来た人に話しかけてくれるので、知らないうちにお客さん同士で盛り上がったりするんです。いつの間にか、仲良くなったお客さん同士でNEWTYPE以外でも遊びに行ってるみたいです。『友達が増える店』なんて言われてます」

常連さんの多くは、最初はグループで訪れて、その後に1人で来たり、NEWTYPEで他のお客さんと仲良くなって、一緒に飲み行ったりしている人が多いそうだ。
最近は、進撃の巨人のOP『紅蓮の弓矢』の“イエーガー!”に合わせて「イエガーマイスター(お酒)」をみんなで飲む、通称「イエガー祭」が流行っているとのこと。

■NEWTYPEのお店の良さ、魅力、特徴は?

ちあきさん「しっかりしたバーや女装系のお店に行く人からは、『文化祭やままごとみたい』と言われますが、わざとです(笑) かっちりやっちゃうと、メイドカフェの良さが出ないんです。 スタッフ同士も仲が良く、それが接客や店の雰囲気にも表れるてるんだと思います。
ちなみに、当店は食べ物が美味しいと言われますが、よくあるレンジでチンではなく、専属のキッチンスタッフがしっかり作ってるので、そこもお店の自慢だったりします」

取材時もキャストとお客さんが自由に楽しそうに話していた。男の娘だからといって、妙にセクシャリティーを意識する必要はなく、下ネタもOKで、男友達感覚でバカ話や懐かしい話もできる。また、カクテルやフードが充実していることも、他のコンセプトバー(メイド喫茶等)と違うところ。

■キャスト志願者は非常に多い?

ちあきさん「当初は、本当にたくさんの応募が来ました。 最近は応募も増えましたが、以前はお店に来ている男の娘をスカウトしていました。もし、興味がある方は、お店に遊びにきてみてくださいね。ちなみに、可愛さに自信がないって言ってる子の方が、可愛い人が多いです(笑)。」

キャストはみんな元々女装が趣味の子ばかりなのだとか。また、どんな子を採用するのか聞いてみると、「可愛い男性で、一般常識があって、“華がある”人。あと、NEWTYPEが好きな人」と明かした。ハードルは高めだが、その分見た目も中身もレベルの高いキャストが集まっている。人気の秘訣は、ここにもありそうだ。

■NEWTYPEにはどんなお客さんが多い?

ちあきさん「男女半々くらいです。でも最近、メディアの影響で女の子が増えてきました。5割強は女の子という感じです。美しいものが好きな人とか、話題性もあるのでみんなで楽しみたいって方たちに来ていただいてます」

と、女装好きな人ではなく、普通のお客さんが大半とのこと。実際、お店に来ている全員が友達のような、また行きたい!と思える活気溢れる空間だった。

■キャストの「まひる」さんにも、いろいろ聞いてみた!


▲左:かじゅさん、真ん中:まひるさん、右:Rioさん

働き始めて3ヶ月ほどだという、まひるさん。「昔から女の子の服が好きで、普段から女装してるので、それを仕事にできたらいいなと思いました」とのこと。女装歴は3年くらい。このお店の魅力は、「女装姿で働けること。お客さんとも友達感覚で話せるのが魅力的です。可愛いねって言ってもらえたりすると嬉しい」と楽しそうに語っていた。また、アニメも好きでコスプレもするらしく、「最近のアニメだと、ズヴィズダーと鬼灯の冷徹が好きです。コスプレは、ボカロとかブリーチとかやってました。進撃の巨人のハンジさんもやってみたい」と話していた。

■最後に、まだNEWTYPEに来たことがない人に、ちあきさんから一言!

ちあきさん「男の人も怖がらずに来て下さい。スタッフが絡んでくる楽しい居酒屋という感じです♪」

本当に居酒屋みたいな明るいお店で、気軽に飲みに行けそうなお店だった。もうすぐ5周年ということで、イベントも計画中だそうだ。


■次に訪れたのは、浅草にある『恋’s Bar』


▲左からかおるさん、恋(レン)さん、なつきさん、ゆうさん

お店に入ると、気さくでアットホームなキャストが出迎えてくれた。店長の恋さんは料理が大得意。今回、この恋さん、そしてキャストのゆうさんとかおるさんにお話を伺った。

■お店を作ったきっかけ、魅力は?

恋さん「2012年の10月から秋葉原で月一の1日カフェをしていました。お客さんからこの浅草の場所を紹介してもらって、去年の7月1日にオープンしました。お店の魅力は、やっぱり料理です。最初は1品(味噌煮込みうどん)だけでしたが、今では品数も増えてイタリア料理まであります」

実際に炒飯をいただいてみたが、本当に美味しかった。しかも500円とお手頃価格。また、「自分で作った料理は自分の手でお客さんにご提供してます」と愛情もたっぷり。お客さんとキャストの距離が近く、仲間のような空気が溢れていた。

■恋’sBarで人気のイベントは?

○プリメイド(不定期)
恋さん「お客さんが主とメイドに分かれて、メイドが主に飲み物を運んだりします。するとチケットが貰えて、それを集めると景品が貰えます。毎回盛り上がるイベントです」

○恋‘s Cafe(毎月第3土曜日の17時~29時)
恋さん「その日その日でコンセプトを決めて料理します。普段食べられない料理が食べられます♪」

この他にも、キャストやお客さんが企画したいろんなイベントが開催されている。何かやってみたいけど場所が……という人は、ぜひこの恋’ s Barに声をかけてみよう! キャストさんにもヲタクが多く、そういう関連のイベントも行なわれている。

■お店に来たことがない人に一言

恋さん「垣根のないお店なので、女装さんでもニューハーフさんでも男装さんでもコスプレイヤーさんでも、いろんな人に来ていただきたいです。そして私の料理を食べていただけるともっと嬉しいです♪」

また、コスプレ衣装も貸出(1着500円)しているので、ぜひ着替えて楽しんでほしいとのこと。いろんな楽しみ方ができるのも、このバーの魅力だ。

■キャストのゆうさんにお話を聞いてみた。


2013年11月頃に、“プリメイド”にお客さんとして来てスカウトされたゆうさん。このお店の魅力は?と聞いてみると、「スタッフもお客さんも、個性的で魅力的!」と嬉しそうに語ってくれた。「まだ来たことがない人もぜひ来てほしい。化粧とかも教えます♪」とのこと。

他にも魅力的なキャストさんやお客さん、ここを中心に歌手活動をしている人など、いろんなクリエイティブな人が集まっていて、活気に溢れていた。本当に様々な人たちが集まる、というのも、こういったお店の特徴かもしれない。

今回取材したどちらのお店も、非常にアットホームで居心地がよかった。女装という、少し変わった嗜好を持っている人ならではの、全てを包み込んでくれる大らかさを感じた。また、会話の引き出しも多く、コミュニケーション能力が非常に高いので、初めて行った人でもリラックスして楽しめそうだ。

まだこういうお店に行ったことがない人や、女性はちょっと苦手…という人は、まずは男の娘たちと会話の練習をしてみてはいかがだろうか?

取材協力

○女装メイドのいるお店『男の娘カフェ&Bar NEWTYPE』
【営業時間】
火曜日/水曜日/木曜日:18時~23時
金曜日/土曜日/祝前日:18時~29時
日曜日/祝日:18時~23時
月曜日:定休日
【公式HP】
http://newtype.ms/

○浅草3丁目レンタルCafe&Bar~恋’s Bar~
【営業時間】
月~木曜日 17:00~25:00
(ラストオーダー フード24:00 ドリンク24:30 入店24:00)
金曜日 17:00~29:00
(ラストオーダー フード28:00 ドリンク28:30 入店27:00)
【公式ブログ】
http://ameblo.jp/rensbar/

(取材・文=月乃雫)