すーぱーそに子でお馴染みのニトロプラスに潜入!【オタクの社会科見学】

アニメ

更新日:2014/3/13

「魔法少女まどか☆マギカ」「そにアニ –SUPER SONICO THE ANIMATION-」「仮面ライダー鎧武」など、数々の人気作と共に圧倒的な存在感を放つ株式会社ニトロプラス。ゲームメーカーのはずなのに?と、気になっている読者も多いだろう。そんなニトロプラスさんに新人声優・高野麻里佳が潜入! 思う存分見学&代表取締役社長の小坂さん(でじたろうさん)にインタビューをしてきました!


▲ここが会社の入口ですよ!

ニトロプラスさんがあるのは、あの東京スカイツリーのそばにあるオフィスタワー。早速、会社内をチェック! 入口では“すーぱーそに子”ちゃんのパネルが。他にもグッズがたくさん。はやくもテンションが上がります♪


▲うぁーい!いきなり“そに子”ちゃんがお出迎えしてくれました!


▲ズラッとならんだ関連関連作品グッズに興味深々


▲“そに子”フィギュアもたくさん!


▲レアなギターも発見!

こちらは作業している方々のエリア。みなさん真剣な表情でお仕事中。デスク周りでその方の個性が見えておもしろいです!


▲広くて明るい社内!オフィスからの眺めも絶景

さらに気になるお部屋を発見!なんと壁がオレンジ色…ここは“すーぱーそに子”仕様の打ち合わせルームなんだとか。今度の会議、私も参加していいですか!?


▲そに子ちゃん仕様!窓からは夜景が見えるロケーション

社内の環境は一通り見学できたけれど、まだまだ分からないことがいっぱい。そこで代表の小坂さんに直撃インタビューを決行! 会社について、小坂さんについて…知りたいことを全部ぶつけてみました。


▲代表取締役・小坂さんとご対面

――さっそくですが、“ニトロプラス”という社名の由来を教えてください。
小坂:僕は女の子よりも車やメカが好きでして。堅くてかっこいいものが大好き! その影響で社名は“ニトロプラス”になりました。 もっと具体的に説明しますと…前身の会社が“デジターボ”。車はターボチャージャーをつけると馬力が上がるんです。デジタルにターボチャージャーをつけて、パワーアップさせよう!という由来で“デジターボ”になりました。
“デジターボ”では教育関係のソフトも制作。新しく18禁ゲームを制作しようとしたところ取引先から反発を受け、ゲームブランドを立ち上げることに。ターボチャージャーをつけた車をどうすればさらに強化できるか…そこで、燃料をニトロにしよう!とひらめきました。まっすぐ周りを見ずに突っ走るイメージとも合致しているなと。そこで、ニトロを足す=“ニトロプラス”となったわけです。 最初はデジターボ内にあるニトロプラス事業部からのスタートだったんですよ。

――会社のロゴもかっこいいですよね。
今はかっこいい系のロゴですが、一代目のロゴはかわいい系だったんですよ。現在のロゴは10周年のときに変えたものです。そういえば…今年の8月で15周年。なにか仕掛けを考えないといけませんね(笑)
あのロゴはデザイナーが制作したもの。エッジが立っている会社がいいなと思い、「n」の文字を工夫しました。その横や上にある「N」マークもメラメラ感が出ていてお気に入りです。


▲コチラが会社のロゴ。クールでかっこいい!

――デジターボ内ニトロプラス事業部だったとお聞きしましたが、何がきっかけで組織化されたんですか?
小坂:2000年に一作目のPCゲーム「Phantom PHANTOM OF INFERNO」を発売しました。当時は無名のメーカーだったのですが、おかげさまでヒット! そんな中、Phantomのシナリオを担当した虚淵玄と大ゲンカしまして(笑)
「ニトロプラスの取締役になるか、辞めるか、どちらか選べ!」と迫ったところ、1週間後に「取締役になる」と返事が。彼が辞めると言い出していたら、株式会社ニトロプラスはなかったかもしれませんね。

――“ニトロプラス”は優秀なクリエイターが揃っているイメージですが…どうやって集まったのですか?
小坂:紹介などもありますが、ほとんどが求人を見て応募してきています。いちばん印象に残っているのは…なまにくATK(イラスト・原画などを担当)ですね。僕が面接を行ったのですが、会議室に入室したにも関わらず座ったまま。名刺を差し出したところ、そのままの姿勢で片手で受け取りました…世の中、すごいヤツもいたもんだなと(笑)
初対面からなかなか個性的な人物だったのですが、絵を見た途端にコイツには才能がある!とピンときて、採用しました。“ニトロプラス”を落ちたらゲーム業界を諦めようとしていたらしいです。

――“ニトロプラス”で働きたいと思ったら、どうすれば良いですか?
小坂:正直、学校感覚では難しいと思います。入社してから学ぶのではなく、最初からある程度のスキルが必要です。誰かに教えてもらうのではなく、積極的に自分の能力を活かしていくくらいの気持ちではないと厳しい。
よく「絵やシナリオが上手くなるにはどうしたらいいですか?」と聞かれるのですが、厳しいことを言うとそういう質問をしている時点で考えを改めた方が良い。誰かの後を追ってもそれが自分に合う方法だとは限らないし、人と同じことをしても伸びませんからね。


▲ガンガン突っ込んだお話も聞いちゃいます!

――いつもお忙しそうな小坂さん。具体的にはどんな業務をされているんですか?
小坂:今日は「そにアニ」の制作委員会に出ていました。後は「仮面ライダー鎧武」に関する打ち合わせですね。
僕は一応代表という立場ではありますが、プロデューサーとしても活動しています。プランナーとしては、社内でナンバー1の売り上げを出してきましたので、わりと自信あります(笑)。ただ、最近は企画書は書かなくなりましたね。

――今日のお仕事内容もそうなのですが、アニメでお見かけする機会も増えましたよね。これは何か戦略があったのですか?
小坂:“ニトロプラス”はゲーム中心の会社ではありますが、それ以外は手掛けないというスタンスではないんです。ここ数年、たまたまアニメや特撮を作る機会に恵まれた…といった具合ですね。
その中でも現在放送中の「そにアニ」はまさに広がっていった先にアニメがあったパターン。そに子はライブ告知用のイラストで、キャラ展開する予定はありませんでした。そこから今や50種類以上のフィギュアが出るまで成長して…自然とアニメ化へと進みました。
「そにアニ」は、弊社としては大きな挑戦なんです。今までは“燃える”作品を手掛けてきたけれど、“萌え”をメインにした作品はチャレンジしたことがなかったので。 “すーぱーそに子”は本当にいろんな方向へと広がったキャラクター。ツイッターもフォロワー数6万人、初音ミクとのコラボ、現在は音楽へと広がって、第一宇宙速度…と。
“そに子”だけでなく、これからもさまざまな作品やキャラクターがゲーム以外へとアウトプットされていくかもしれませんね。


▲今後はどんな展開が待っているのか楽しみ!

――「そにアニ」がアニメ化されるまでのお話しをもう少し詳しく聞きたいです!
小坂:アニメ化のお話は、いくつかの会社からオファーをいただいていました。その中で現在プロデュースしていただいているジェンコさんのご提案が印象的でした。制作として組んだWHITE FOXさんは「STEINS;GATE」でお世話になったこともあり、クオリティも申し分ナシ。今がアニメ化のとき!と決断しました。

――小坂さんご自身のことについて質問させてください。現在のお仕事を始めたきっかけは?
小坂:学生時代、超時空要塞マクロスが大好きで。マクロスの中でもバルキリー(可変戦闘機)がかっこよくて…メカのデザインをすることが夢になりました。好きな気持ちが高まって、バルキリーの同人誌を作成。その本の原作を担当していた“スタジオぬえ”の方に是非見て欲しいと送ってみたところ、一度会社に遊びにこないかとお誘いが。それが縁でイラストレーターとして仕事をするようになりました。 さらに、編集プロダクションなどを経て、バンダイのプラモデル企画として、メカデザインのお話をいただきました。ありがたいことに、早い段階で“メカをデザインしたい”という夢は達成できました。
その後、ゲームを作りたいなと考えていたら、実際に作れることに。メカも作ったし、ゲームも作ったし…あとはアニメか!?とは思っていました。そこから先はずいぶんと時間がかかりましたが、関わらせていただいたTVアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」が大ヒット。今まで自分が思い描いてきた夢や野望は、叶えてきているなと感じています。

――少し学生時代のお話が出ましたが…どんな学生でしたか?
小坂:小中学生の頃は転校ばかり。2年に1回転校をするので、友だちが出来なかったんです。友だちを作るどころかいじめられることも。そういう境遇を母も知っていたので「健康で迷惑をかけなければ好きなことをしていい」と言われて育ってきました。姉が模範的な優等生だったのですが離れて住んでいたので、プレッシャーもなかったです。
ひとりの時間が多かったので、絵を描いたり、アニメを観たりしていました。特に40年代は空前の特撮ブーム。自分も漏れず、ウルトラマンやライダーに夢中に。他にも、姉の影響で少女マンガも読んでいましたよ。小学校低学年のときにマーガレットで「ベルサイユのばら」が始まって。内容はよく分からないけどスゴイ!と幼心に衝撃を受けました。
特に「キャンディ・キャンディ」は今でも大好きです。ああいう大河ドラマというか…人の半生を描くストーリーが好み。生きているといつでもハッピーで順風満帆にはいきません。人には浮き沈みがあって、どんな良い人にも影の部分があって…リアリティーのあるストーリーが心に響くタイプ。この頃に読んだ少女マンガは、今の作品作りに大きな影響を与えているように思います。


▲意外!?小坂さんのルーツは少女マンガだった!

――学生時代にやり残したことはありますか?
小坂:英語ですね。うれしいことに、どこの国にも少なからず“ニトロプラス”ファンがいるんです。英語ができればそんな人たちともっと交流ができるのに…悔しいですね。

――今、目の前に学生さんがいたら、どんなアドバイスをしますか?
小坂:人との交流は大切に。人脈は財産です。チャンスをもらったら、貪欲に掴みにいってください!

――夢や目標を叶えながら進んできた小坂さん。今後の野望は!?
小坂:ディ○二ーランドが目標。18禁のディ○二ーランド的なものを作りたいですね(笑)


▲大人のディ○ニー?!これは期待できる!

――ありがとうございます! 最後に読者の皆様にメッセージを!
小坂:「仮面ライダー鎧武」は4クール作品なので、ちょうど真ん中あたりです。これから後半に突入していきますが、虚淵らしい“シリアスな展開”が待っていますので是非!(笑)
「そにアニ」も後半に向けて佳境に入っています。感動の最終回まで突っ走りますよ。他にも、虚淵が脚本を担当している映画「楽園追放 -Expelled from Paradise-」は2014年公開予定です。東映アニメーションさんとのコラボですので、期待してください!
ゲームの方では「ネクロマンサー(仮称)」を鋭意制作中。「ニトロプラス キラル」の方でも近々何かご報告できそうです。すーぱーそに子が活躍するPS3用ゲーム「モット!ソニコミ」は3月20日発売予定、ニンテンドー3DS用ゲーム「ソニプロ」は5月29日発売予定です。 なんだか告知ばかりになって申し訳ありませんが…これからも面白いものを作っていきますので、引き続きニトロプラスをどうぞよろしくお願いします。

小坂さん、ありがとうございました。私も是非ゲームに出演させてください(笑)

(インタビュー=高野麻里佳、構成=shioko)

取材協力

■ ニトロプラス公式HP

■ アニメ「そにアニ–SUPER SONICO THE ANIMATION-」公式HP
AT-X、TOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、テレビ愛知、BS11、ニコニコ動画、dアニメストアにて好評放送中

■ PS3用ゲーム「モット!ソニコミ」公式HP


2014年3月20日発売予定

■ ニンテンドー3DS用ゲーム「ソニプロ」公式HP
2014年5月29日発売予定

ニトロプラスでは現在プログラマーと3DCGデザイナーを募集中。公式HPの求人情報をチェックしてみよう。新卒採用など定期採用は行っていないので、働きたい場合はこまめにHPや公式ツイッターをチェックすべし!