AKB48「田名部生来」インタビュー「14歳になったらエヴァに乗ると思っていました」

アニメ

更新日:2014/8/26

田名部生来

アニメのなかで頻出する髪型のひとつで、ロングヘアの一部をリボンで巻き巻きにしているものはご存じだろうか?

今期放送中のアニメでは、『魔法科高校の劣等生』の司波深雪がお兄様にエプロン姿を披露した時や、『精霊使いの剣舞』のエストが裸ニーソ姿の時にしていた時のあの髪型である。

▲『魔法科高校の劣等生』の原作絵でも耳の後ろあたりで黄色リボンで巻き巻きにしているのが確認できる

この髪型、ネットで検索しても正式な名前が出てこない。一部では「オカピ巻き」とも言われているようだが、それも広く認知された訳ではないようだ。

そこで、当編集部がこの髪型を勝手に命名してしまおう!ということで、国民的アイドルAKB48にして、グループ屈指のヲタ。タナブ、たなみんこと、田名部生来ちゃんをお招きした。
 

▲AKB48チームB所属、田名部生来ちゃん


■ 実はなかなか大変な髪型だった…。

「リボンというと『涼宮ハルヒの憂鬱』を思い出しますね。今はショートヘアなので、ちょっとボリュームが足りないかな? でも、昔の私は、ハルヒよりロングだったので、似合ったと思いますよ」(たなみんちゃん、以下同)

たくさん用意したコスプレの中から、本日は本人セレクトでチアリーダーのコスをしてもらった。

――実際に、髪に巻いた感想は?

「この髪型、意外と大変ですね。リボンを巻こうとすると、スルスル落ちてくるし、リボンの長さを調整するのが大変です」

ヘアメイクさんに髪をアレンジしてもらっている間、髪型の話から徐々にヲタ話へと。

今やすっかり、元気印のショートカットが似合う、たなみん。今の髪型もアニメの影響があるのだとか。

「この髪型は、『進撃の巨人』リヴァイ兵長リスペクトです。サイドが刈り上げなんですよ! デビュー3年目から、ショートヘアですが、昔はすっごいロングだったんです」

「どれくらいロングだったかというと……。長いときは、床に付くくらい! イメージは『ハリーポッター』のハーマイオニーでしょうか。いつも長〜い三つ編み姿でしたよ」

床に付くぐらいのロングヘア? それは尋常じゃない長さだ。なぜそんなに長く伸ばしていたのか。指示していたのは、どうやらお母様。

「母が、ロングヘア好きだったんです。しかも“魔法少女”の。だから、ヒロインのような髪型に結んでくれました。もちろん髪型だけではなく、コスプレもしていました。『美少女戦士セーラームーン』はもちろん、『機動戦艦ナデシコ』『サクラ大戦』『おジャ魔女どれみ』などですね。手作りの衣装だったんです」

お父様が生粋のヲタク、という話しは有名だが、まさかお母様までとは! いやいや、おおみそれいたしました。改めて、ヲタエリート一家であることを思い知らされた。さらに旅行もこんな調子だとか。

「一家全員、こんな感じなので、家族旅行もアニメ絡みの場所へ行きます。去年、江ノ島で、『進撃の巨人』のサンドアートが展示されていたんです。家族みんなと江ノ島へ行きましたが、基本インドアなので、泳がないで帰ってきましたね」

どうやら「たなみん」は、ニワカでも仮面でもなく、遺伝子レベルでのヲタのようである。普段の行動ももちろん、ヲタと同じ。
 

▲「ショートにしたら意外とスッキリした」とのこと

「一番好きな場所は、池袋のアニメイトですね。次は、秋葉原のアニメイトです! 最近では、マメに足を運べないのですが、予約していたゲームや声優さんのドラマCD、マンガなどを取りに行きますよ。アニメイトポイントがすっごい溜まってます!」


■ たなみんは、古い?

今やヲタクであることを隠さない人は多い。AKBグループのなかにもヲタ趣味カミングアウトしている子は多い。だが、そんなヲタキャラたちから、たなみんはちょっと違う目で見られているという。

「石田晴香、岩佐美咲、岩田華怜とは、今期のアニメのことで、ワイワイ話してます。でも、彼女たちにも『ちょっと違うよね』って言われているんです。私の好きな作品って、古いんですよね」

父親から、エリートヲタ教育を受けた結果、『ドカベン』『めぞん一刻』が好きな作品。今どきの子にしては、なかなか渋い。
なかでも『新世紀エヴァンゲリオン』は、3歳から繰り返し見ていたという。

「14歳になったら、自分も父親に命じられて、エヴァに乗るものだと思っていましたから。私も戦ってみたかったです。
使徒と戦うことは叶いませんでしたが、それ以外のところは、意外と当てはまっている気がします。
二十歳を過ぎて、私まるでミサトさんみたいなんです。短パンタンクトップに、ビール。アニメに出てきた日本酒、獺祭(日本酒)も自宅にあります!」

オフには、短パンにビールをグビっと! なんとアイドルとはかけ離れた素顔だろう。普段はさらにアイドルらしからぬ姿だという。

「普段の私のテンションは、寝起きみたいな感じっていわれます。だからコンサートで大声を出すと、親に“らしくない”って笑われますね。
あと、歌もかわいらしくは歌えないです。どちらかというと、カッコいい系が得意です」
 
 
▲「アイドルらしくないなんて言わないでね」


■ 中二病の黒歴史も

中学2年の夏に、AKB48でデビューした、たなみん。残念ながらエヴァに乗ることは、かなわなかったが、代わりに爆発して欲しいほど、リア充な10代を送っていたに違いない。

「そんなことないですよ。十分、中二病をこじらせていました。私、アニメに洗脳されていたので。
その証拠に、自分はこんな滋賀の田舎にいてはダメな人間だ!って、勝手に思い込んでいました。
それで、オーディションを受けて、東京に出ようと画策していました。あと、ポエムを書いていたことも……」

ポエムを自作していたとは、やはり本物の中二病だ。今はそんな黒歴史の日々も懐かしいという。

「離れてみるとわかりました。滋賀ってとってもいいところですよね。『けいおん!』や『中二病でも恋がしたい』の舞台でもあります。昔は東京に出たくてしょうがなかったのですが、今では休みがあると滋賀に足を運んでいます」

若干21歳にして、郷愁を覚えるたなみん。実は大好きな作品にもそんなノスタルジックな感情を重ねているという。

「夏になると『あの花の名前を僕たちはまだ知らない。』ですね。泣きすぎてもう見られなくなります。昨年は、劇場版を観に行って、上映開始5分で泣きはじめました。
次の日に、目がボンボンに腫れてしまうので、気をつけるべき作品です」

アイドルらしく、かわいらしい風貌だが、どちらかというと少年マンガが好物だという。コスプレでは、男装も多いそうだ。


■ ということで「たなぶ巻き」に決定!?

ヲタ話もひと段落したところで、例の髪型が完成!
 

▲横から見た様子。このようにグルグル巻きのアレンジを見たことのある読者も多いだろう

名前がないなら付けてしまえばいいということで、本日からこの髪型は「『たなぶ巻き』に決定!

今でこそショートだが、これからはちょっとずつ髪を伸ばし、『たなぶ巻き』を披露してくれるとうれしいぞ!
 

▲「たなぶ巻き」の伝道者?としてがんばります!

アイドルでもあり、ヲタでもあり、渋好みでもある。どれも相反するような要素だが、たなみんというひとつの人物には不思議と同居している。

今年、選抜総選挙にて初のランキング入りを果たした。どちらかというと遅咲きだが、深入りすると抜け出せないクセになりそうな人材だ。

これからも『たなぶ巻き』の伝道者として、今後の活躍を期待しよう!


■ たなみんの最新情報はこちら
※よい子はマネしないでね。(オフィシャルブログ)
http://ameblo.jp/tanabe-miku/

(企画=shioko、取材・文=武藤徉子、撮影・衣装・スタジオ提供=橋本商店、ヘアメイク=石部直子)