【動画あり】「Wake Up, Girls!」1st Live Tour 東京公演<夜の部>密着レポート!

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更新日:2014/9/20

8月17日、東京・文京シビックホールで開催されたWake Up, Gilrls!の1st Live Tour「素人臭くてごめんね」の東京公演<夜の部>を密着レポート! 開演前後にメンバーに直撃した貴重な映像とともにライブレポートをお届け!

まずは、開演直前のメンバーの映像から! <昼の部>終了後、間もなく<夜の部>の開演へ――。忙しく走り回るメンバーたちを舞台裏でキャッチした!


さて、ここからはステージの模様をレポートしよう。

……ようやく、この時がやってきた。今春、TVアニメ放映直後に発表されたWake Up, Gilrls!の1st ライブツアー。華々しい幕開けの後、待ちわびたワグナー達に差し出された1曲目は「タチアガレ!」。今年1月から全国公開された劇場アニメ『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』の主題歌であり、アニメ本編で、ほとんど知らない者同士だった7人がグリーンリーヴス・エンタテインメントに集まり、「Wake Up, Girls!」を結成したときに歌ったファーストソングである。ライブでは、この日この時、楽曲を通してあのアニメの感動を再び、しかもメンバーと一緒に分かち合えるのだ。盛大な歓声から湧き上がる熱気が、その興奮を場内の至るところへと伝えていた。


モニターには、TVアニメから抜粋された名シーンが順を追って映し出されていた。人が集まらなかった初期のライブ、葛藤するキャラクターたち…。見ている側も、Wake Up, Girls!に出会った頃の高鳴る気持ちを、瞬時に取り戻す。そして映像は、今ステージで歌うメンバーの姿に切り替わり…。

曲は、TVアニメ『Wake Up, Girls!』のOP曲「7 Girls War」へ。まだ2曲目だが、彼女たちの磨き上げられたパフォーマンスには「目を奪われる」どころではなく、圧倒されっぱなしだった。モニターに映し出されるキャラクターと同じように歌って踊る7人。劇中の少女たちと同様、メンバーたちもまた、度重なる厳しいレッスンに青春を賭け、声優を目指して奮闘してきた。そして今、目の前で歌う7人の笑顔は本当にキラキラと輝いている。初々しさはそのままに、確かに成長が感じられる。しかし、その裏にはどれだけの困難があったのだろうか。

全国3ヵ所、昼夜2回の全6公演も折り返し地点。各地で、この秋リリースされるキャラクターソングが順番にお披露目されており、東京公演では、田中美海と山下七海によるキャラソンが披露された。

「ポップでチャーミングな曲です!」と田中が紹介したのは「歌と魚とハダシとわたし」。おばあちゃんが大好きで、誰にでも笑顔を振りまく、そんな片山実波というキャラクターのすべてが詰まった元気なナンバー。一方、山下が「ちょっと羽休めでセクシーキュートな曲でみんなを魅惑の森に連れていきたいと思います!」と歌い出した「オオカミとピアノ」は、オオカミを真似る手振りと、ゆったりとした足取りで客席に歩み寄る仕草が大人っぽくて、まさに魅惑的だった。2人は振り付けにも参加したらしく、田中は「最後の魚のポーズは自分で考えました。自転車に乗っているときに(笑)」ともう一度ポーズを披露し、客席から「かわいい!」と歓声を浴びていた。

まゆしぃが以前所属していたグループであり、ライバルユニットでもある「I-1 club」のカバー曲より、特筆すべき歌唱は「ジェラ」。劇中での出番は少ないものの、名曲との呼び名が高い1曲だ。WUGの持ち歌にはないようなスタイリッシュなデジタルサウンドだが、激しく変わるフォーメーションやテンポの早い振り付けに遅れをとることなく“鍛え上げた”感を見せつけるメンバーたち。ズンズンと重低音が響くなか、クールな表情で“選ばれているふりで 奪い取っていくのは 私”と歌い放つ姿は新鮮で、ゾクゾクさせる。


「おつきあいくだされ」と、田中が見事なビブラートとキュートなコブシを“ニャン手”でまわしたド演歌「DATTE」の後は、「あぁ光塚歌劇団」に突入。男役の吉岡が女役の青山をエスコートしながら、愛を語り合うミュージカル風のナンバーだ。劇中ではぶつかることもあった、まゆしぃとよっぴーだが…。もし、アニメ終了後もなお、仙台で7人が活動を続けているのなら、2人はきっとこんな風に支え合って頑張っているのだろう。Wake Up, Girls!を語る上では外せない2ショットに、思わず微笑ましい妄想を膨らませてしまった。

そして、ステージは終盤に。Twinkleが提供した「16歳のアガペー」を歌い終えると、会場の明かりが落ち、優しいピアノの音色が会場に広がった。ラストナンバーは、TVアニメでエンディングを飾っていた「言の葉 青葉」。アニメを見た後、いつも彼女たちと過ごした時間に心地よい余韻を残してくれた曲。マイクを握り締めながら、一つひとつのフレーズを大切に歌う7人。この曲には、少女たちの葛藤が詰まっているようだ。

そして、アンコールの合間の挨拶では、7人が率直な想いを聞かせてくれた。
「みんなの顔がめっちゃ見れるようになったよ!」と自身の成長を噛み締めた田中、「上手く伝えられないけど…みんなサイコーです!」と言葉を詰まらせながらも感謝の気持ちを伝えた高木、青山は「みんな一緒に歌えてよかった!」と語り、永野も「メンバーに出会えたのは奇跡!」とWUGへの想いを述べていた。そして奥野は「これから先どうやって生きて行こうって悩んでいた時期だった」とWake Up, Girls!との出会いを振り返った。すると、必死にこらえていた涙が溢れ出し…。


「決して楽しいことばかりではなかった」という山下の告白もあった。しかし、「最近は本当にWUGで良かったと感じています。でも、ここで終わっちゃいけないのがWUG!」とメンバーを奮い立たせるように吉岡が宣言する。

“どれだけ傷ついても譲れないものがある”

この日、本当にラストとなったアンコールで、2回目の「タチアガレ!」を歌唱したWake Up, Girls!。これからも、この曲を何度も歌って、その度に自分の居場所=ステージを確かめていくのだろう。ここは、7人の想いが重なる場所。吉岡をはじめ、メンバーたちの目から、耐えきれず涙が溢れていた――。

こうして、2時間半に渡るステージは終了。しかし、次はツアー最終地となる仙台公演が待っている。誰もいなくなった会場で、7人がワグナーたちへのメッセージを残してくれた。

Wake Up, Girls!に自分達を投影し、重ねているだろう7人のメンバー。終演近くに見せた、それぞれの涙は見ているファンの胸に深く刻まれた。

全てのステージが終わり、取材班が帰り支度をする中、誰が音頭を取ったわけでもなく、ファンによる一本締めが行われ、そして、いつまでも止まない「タチアガレ!」の合唱が広い広いシビックホールにこだまし続けていた。

彼女たちの成長物語は、まだまだ終わらない。


Wake Up, Girls!

・公式サイト
http://wakeupgirls.jp/

■出演:Wake Up, Girls! 1st Live Tour「素人臭くてごめんね」
吉岡茉祐(島田真夢役)
永野愛理(林田藍里役)
田中美海(片山実波役)
青山吉能(七瀬佳乃役)
山下七海(久海菜々美役)
奥野香耶(菊間夏夜役)
高木美佑(岡本未夕)

■セットリスト
1.タチアガレ!(劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』主題歌)
2.7 Girls War(TVアニメ『Wake Up, Girls!』OP主題歌)
3.歌と魚とハダシとわたし(片山実波 CV:田中美海)
4.オオカミとピアノ(久海菜々美 CV:山下七海)
5.シャツとブラウス(I-1 club)
6.ジェラ(I-1 club)
7.DATTE(小早川ティナ from I-1 club)
8.あぁ光塚歌劇団(光塚歌劇団:吉岡茉祐、青山吉能)
9.太陽曰く燃えよカオス(岡本 未夕ver.)
10.極上スマイル(I-1 club)
11.16歳のアガペーTVアニメ『Wake Up, Girls!』挿入歌)
12.言の葉 青葉(TVアニメ『Wake Up, Girls!』ED主題歌)

UN1. ハレ晴レユカイ
UN2. タチアガレ!(センター入れ替えver.)

取材・文=麻布たぬ、撮影=橋本商店