Cover Model 二宮和也 2013年3月号

Cover Model 紹介

更新日:2013/6/6

Cover Model二宮和也

観た人によって、いろんな意見が出るといいな

3月16日(土)公開の東野圭吾原作の映画『プラチナデータ』は、

近い将来の日本が舞台のサスペンスミステリーだ。

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二宮和也が演じたのは、DNA捜査システムを構築し、

神のごとく振る舞う天才科学者・神楽龍平。

ニヤリと自信の笑みを浮かべる初登場シーンから

この人物、ちょっといけすかない!

「いい人に見えないようにはしました(笑)。

神楽は、自分が絶対に正しいと思っているし、自分が正義だと思っている。

人間に裏切られたくないから、人間と付き合わない。

機械は裏切らない……と思っていた彼が、自分で作ったシステムに追われていく、

一種の不条理劇だと思ったんです」

連続殺人事件の捜査をきっかけに、ストーリーは不条理な逃亡劇へと変貌する。

2011年公開の『GANTZ』に続き、

二宮和也のアクション俳優としての資質が爆発した。

身に覚えのない犯罪で警察に追われる、

「逃亡」のさまざまなバリエーションを、体当たりの演技で実現してみせたのだ。

序盤のクールな表情を崩し、真実を求めて駆け回る主人公の姿に、

観客は応援の気持ちを高めていく。

「ああいう逃げていくシーンって、

すんなり流して観られてしまう危険性がありますよね。

そこを、ちゃんと飽きさせないで、

ちゃんと展開を付けて楽しんで観られるものにするっていうのは、

監督の強い意向だったと思います」

 人間の個性は、遺伝(生まれ)で決まるのか、環境(育ち)で決まるのか。

映画『プラチナデータ』の大きなテーマのひとつだ。

二宮自身は、「遺伝もあると思うんですけど、環境がかなり大きかったですね」と語る。

「ジャニーズの中でも結構特殊だったのかなと思います。

10代の頃、仕事でいわゆるジャニーズの人たちがたくさん出ているドラマに

出させていただく機会よりも、大人たちの中に入っていく感じだったんですよね。

対大人の関わりが、同世代の子たちより多かった。

それが後になって良かったなと思うのは、大物に会っても動じなくなったこと(笑)。

蜷川幸雄さんや倉本聰さん、クリント・イーストウッドとかに会っても、

普通に接することができちゃえる。そんな自分がたまに怖いです(笑)」

そんな二宮和也さんが選んだ本は——
『鉄コン筋クリート』
『鉄コン筋クリート』(全3巻)
松本大洋

小学館ビッグスピリッツCスペシャル 各866円
 

ヤクザがはびこる「宝町」で、ホームレス同然の日々を送る、兄貴的存在の“クロ”と、無邪気な暴力衝動を抱えた“シロ”。「ネコ」と呼ばれる二人は、悪いヤツらから金品を巻き上げ、サバイバルしていた。ある時、「子供の城」建設プロジェクトにまつわるキナ臭い面々が街に集結、シロとクロも戦争に巻き込まれる――。

「天使と悪魔ですよね。例えば、あと一杯飲んだら酔っちゃう、楽しいんだから飲んじゃいなって言う悪魔と、ダメだよ明日も仕事があるんだからって言ってくる天使と。自分の中にある欲と、それを止める抑止力のお話をきれいに具現化するとこういうお話になる。読む年代によって、見え方も変わってくる本だなあと思います」(二宮和也 談)