特集番外編1 2008年12月号

特集番外編1

更新日:2013/8/14

泣けるいい話100

 

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編集 関口靖彦

 

今回の特集はブックレビューにとどまりません。この特集内で「泣けるいい話」をジカに読んでいただきたい!という目論みから、短い「泣けるいい話」を27本全文掲載。書き下ろしに、すでに世に出ている本からの転載を加えています。この転載過程が、丸写しするだけ……に見えて、実は山あり谷ありの編集作業となります。

まず弊誌の限られたページ数で、できるだけ本数を載せたいと考えると、字数の組み合わせに四苦八苦。コレものすごくいい話なんだけど長すぎる!と悶絶することたびたび。

それから本の入手のしやすさも要確認。せっかく弊誌読者が興味を持ってくださった本が、いざ読もうとしたらどこにも売っていない事態は避けたい。サイクルの早い近年の出版情況では、これ最近出た本だよなーと思って選んだ2〜3年前の本が品切れ、というのは日常茶飯事です。

それから話の内容のバランス。たとえば全部が全部ペットの話、あるいは親子の話、という偏りがあっては、いくらいい話を揃えても食傷必至。なるべく設定に重複がないように組み合わせを検討しなければなりません。

これら3条件をクリアするため、掲載話数の何倍もの書籍に当たります。そしてセレクトを終えると、次は転載許諾のお願いが必要です。すぐに快諾くださる場合も多いのですが、翻訳書だったりすると確認が必要な関係者が複数になり(しかも海外にいる)、思わぬ時間がかかることも。しかし今回は、みなさんのご協力により、転載不可は一件もありませんでした。誠にありがとうございました。

こうした過程を支えてくださったのが、多くの方からの「この話はいいよ!」というご推薦でした。書評家さん、ライターさん、作家さん、などなど、多くの方に「短くて泣けるいい話」を教えてください、とお願いしました。この「短くて」が上記のとおりクセモノで、みなさん難しいなあと言いながら、素晴らしい本の数々を紹介してくださったのです。それらをひたすらに読み、セレクトしていくのは、何日も徹夜になる作業。それでも本当にいい話ばかりで、読んでいる時間は間違いなく満ち足りていました。