Cover Model 向井 理 2011年1月号

Cover Model 紹介

更新日:2013/10/11

Cover Model 向井 理

普通でいることって、
結構、度胸が要ることなのかなって思うんですよ

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今、最も勢いのある俳優・向井理
2010年は、映画『BECK』『ハナミズキ』、
NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』、ドラマ『新参者』などで活躍、
2011年は大河ドラマ『江 姫たちの戦国』で、ヒロイン・江の夫・徳川秀忠を演じる。
せりふがひとつしかない脇役を演じてきた頃から、クールなたたずまいは変わらない。
「僕はスターでも天才でもないから、普通のことを普通にやっているだけなんです。
でも普通って、なかなか印象に残らない。
ましてカメラマンやエキストラさんがいれば、カッコつけたくなるのが人間で、
そういう中で普通をやるって、結構、度胸が要ることなのかなって思うんですよ」
初めての主演映画『僕たちは世界を変えることができない。』も来年公開になる。
その舞台であるカンボジアは、向井にとっての思い出の地。
番組の企画で訪れ、地雷原を畑にする手伝いをしたことがあるのだという。
「来週からまた撮影に行ってきます。
クランクインする前って毎回どの作品でも気持ちが高ぶるんですけど、
特に今回はそういう思い入れがあったので、逆に気持ちを抑えようとしましたね」

そんな向井 理さんが選んだ本は——

『五分後の世界』
『五分後の世界』
村上 龍 
幻冬舎文庫 560円

気がつくと小田桐は森の中の狭くぬかるんだ道を行進していた。オレは箱根でジョギングをしていたはずなのに……。五分後にずれて現れたもうひとつの日本。地下都市に建国され、人口が26万人に激減した今もなお、駐留する連合国軍相手に不屈のゲリラ戦を続けていた。それはもしあの時、降伏しなかったらありえた世界なのか。戦いがすべてに優先される世界を描いた傑作長編。

「延々と戦闘場面が続くんですが、ハリウッドみたいなやたら派手な描き方とは全然違う。静かなんです、描写の仕方が。現実の平和な日本と戦っている日本が対比されていますけど、ここまで極端じゃないとしても、ちょっと何かが違っていたらそんなふうにまったく違う世界と向き合っていることだってあるわけですよね」(向井理 談)