【ダ・ヴィンチ2017年3月号】Cover Modelは、坂口健太郎さん!

Cover Model 紹介

更新日:2017/2/7

【ダ・ヴィンチ2017年3月号】Cover Modelは、坂口健太郎さん!

Cover Model 坂口健太郎

2010年に『メンズノンノ』のモデルとして活動開始、
そして、その4年後の2014年6月号にて、
現役専属モデルとしては20年ぶりとなる
単独表紙を飾った坂口健太郎さん。
同年、役者デビューも果たし、絶え間なく人気作に出演し続けている。
瞬く間に人気俳優への道を駆け上った彼に、今の心境を訊いた。

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未来を決めすぎてしまうと
そこにしか行けない気がする

役者歴は2年あまり。
そのわずかな期間に10本以上の映画に出演し、
月9ドラマや朝の連続テレビ小説への出演も果たした坂口健太郎さん。

役者業を始めたばかりの2014年、
「まだスタート地点で靴ひもを結んでいる状態で、
スタートしていない気がすごくする」(『坂道』)
と語っていた彼に、この2年で何がいちばん変わったかを尋ねてみた。

「変わらないんですよねえ……。
僕、あんまり取材に向いていないのかもしれない。
最近、坂口健太郎がキテます!みたいなこともないですし。
周りからそう言っていただけることがあったときに、
催眠術にかかるみたいに『へえ〜そうなんだ?』って
思うことはあるんですけど」

妙に飄々としている。
好きな言葉は「なんかいい」。
この〝なんか〞という曖昧さに坂口さんらしさがある。
「決めるのが好きじゃないのかな、自分のことも含めて。
どういう人間だ、とか、もちろんある程度認識していることはあるけど。
実際、夢とか目標とかもないし……って
言っちゃうと誤解を招きそうですね(笑)。
でもほんとに、そういうのもないんです。
よく、5年後にはどんな俳優さんになっていたいですか、とか、
訊かれるんですけど、その姿をあまりにも明確につくりすぎてしまうと、
その方向にしか進んでいかないような気がするんですよね。
道が一本しかなくなっちゃうというか。
靄がかかっていて先が見えないほうが手探りで進んでいける。
寄り道や回り道をしたほうが、いざ5年後がきたときに
きっと今よりずっとおもしろくなっているんじゃないかな」

 
■そんな坂口健太郎さんの選んだ一冊は……

宮本から君へ
『定本 宮本から君へ』(全4巻) 

新井英樹 太田出版 各1480円(税別)

大学卒業後、文具メーカーの営業として就職した宮本は、営業スマイル一つ作れず、取引先と衝突してばかり。唯一の支えだった美沙子にもあえなく玉砕し、ライバル会社にも卑怯な手で仕事を妨害される。奮起するたび苦難が降りかかる“幸せ貧乏人”の宮本だが、決して情熱を手放さなかった。すべての“諦めたくない”大人に贈る物語。

「これはドラマ『重版出来!』の共演者から薦められて読みました。舞台がマンガの編集部だったので、現場にたくさん作品が置いてあったんです。そのなかの一冊で、これおもしろいよって、2人くらいに言われたので、じゃあ読んでみようかなと。もしこの作品が映像化するとしたら、宮本役は絶対に僕には来ないでしょうね(笑)。僕はどちらかというと器用だし、したたか。感情もあまり表には出しません。対して宮本は器用でもなければ、暑苦しくて、いつでも感情が剥き出しというか、その渦が荒波みたいに描かれている。彼は120パーセント、僕ではありません。だからこそ、僕にはない彼の熱量に惹かれるのかも。憧れとは違うんですよ、『宮本のようになりたい!』とは思わないから(笑)。でも、彼を演じてみたいとは思います」(坂口健太郎 談)

取材・文=立花もも