Cover Model 生田斗真 2012年4月号

Cover Model 紹介

更新日:2012/3/7

Cover Model 生田斗真

あの頃の輝きを通して、人は現在地を知るから


映画デビュー作『人間失格』では太宰治、
『源氏物語 千年の謎』では光源氏、と稀代のモテ男を演じてきた生田斗真さん。
今回演じたのは、累計1200万部を超える人気コミックが原作の
映画『僕等がいた』の矢野元晴。
高校生の彼は、ルックスも頭も良く運動神経も抜群で、
クラスの3分の2の女子が好きになってしまうような男子なのだ。
映画『僕等がいた』は、矢野と彼に恋する高橋の出会いを描いた〈前篇〉と、
上京後それぞれの現在と葛藤する〈後篇〉の2部構成で、
青春の煌きとそのかけがえのなさを通じて、観る者に問いかけてくる。
あの頃、好きだったもの、信じていたことを今でも覚えていますか、と。
その意味で、実は大人にこそ突き刺さる作品ではないだろうか。
「ああ、ほんっと、それは太字で書いていただきたい!」
 我が意を得たりと思ったのか、生田さんも思わず身を乗り出す。
「大人になって社会に出てる人たちにとっては絶対に経てきたことだと思うから。
前後篇という贅沢な公開の仕方で7年という年月が表現されているので、
演じるうえでも、それぞれの成長を見せたいというのがまず大きくありましたね」
北海道で1カ月近くロケをして、合宿状態だった出演者たちも、
思わず青春スイッチがオンになってしまったらしい。
「釧路の町をね、思わず走ってみたりとかして」
カメラも回ってないのに?
「そう。ダッシュで。意味もわからず、みんなで笑いながら走るみたいな(笑)」
そんな生田斗真さんが選んだ本は——
『破獄』
『破獄』
吉村 昭 新潮文庫 662円

戦中から戦後の混乱期、犯罪史上未曽有の4度の脱獄を実行した男がいた。実在の主人公をモデルにした吉村昭の読売文学賞受賞作。時代背景を入念に織り込みながら、看守の非人間的な扱いに憤り、緻密な計画と超人的な手口で脱獄を繰り返す佐久間清太郎と、それを阻止せんとした刑務官たちの息詰まる攻防戦を描く。
「ノンフィクションが好きなんです。主人公は脱獄犯ですからね。褒めちゃいけないんだけど、なんかカッコよくて、次はどうやって脱獄するんだろうって引き込まれてしまった。佐久間って情が深いところもあって、家族に会いに家に帰ったり、看守に恩を感じて自首したりするでしょう。映画でいったら『X-MEN』とか『ダークナイト』とかが好きなんですが、悪の中にもどこか人間的なものに惹かれますね」(生田斗真 談)