スタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』7月19日より全国公開!

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更新日:2014/7/25

2010年に大ヒットした『借りぐらしのアリエッティ』を手がけた米林宏昌監督の最新作『思い出のマーニー』が7月19日から全国で公開される。『風立ちぬ』で引退表明した宮崎駿監督と盟友・高畑勲監督が制作に関わっていない長編アニメーション作品はジブリでは初めて。イギリス児童文学の名作を美しく繊細な映像で描いたこの物語にはジブリの新たな強く優しいメッセージが込められている。

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“この世には目にみえない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、私は外側の人間。私は私が嫌い”

 そう感じている主人公の杏奈は12才の中学生。学校も友だちも苦手で、自分を見失ってしまっている女の子だ。そんな杏奈の前に謎の少女マーニーが現れ二人はすぐに仲良くなる。ところが村人たちはマーニーのことを知らなかった──。

 孤独な少女二人の魂の交歓が印象的だ。このイギリスの児童文学は宮崎駿監督が大好きな作品だったが、「映画にするには難しすぎて自分にはできない」と思っていたという。その大役に名乗り出たのが米林監督だった。「アリエッティでやり残したことがあるんです。それをこの作品でぜひやりたい」と意気込む米林監督に鈴木プロデューサーは制作を一任。巨匠・高畑勲も関わらないジブリの新たな挑戦作となった。

 この映画で米林監督が特にこだわったのは、杏奈とマーニーの繊細なやりとりだという。小さな身体で深い孤独を背負って生きる杏奈の敏感で真っ直ぐな心。そんな杏奈のことをずっと前から知っていたかのようなマーニーの優しさ。「あなたのことが大すき」と言い合えるほど親密になっていく二人にやがて別れが訪れ、互いに分かち合った秘密の謎が解き明かされた瞬間、涙がこみあげてくる。

 ダブルヒロインもジブリ初だ。杏奈の声を本作がアニメーション初出演となる16歳の高月彩良さん。マーニーは、21歳の有村架純さん。2人とも300人のオーディションから選ばれた。他のキャストは、ベテラン揃いだ。作画監督は『千と千尋の神隠し』以来となる安藤雅司さん、美術監督は種田陽平さん。ジブリが総力をあげて作った最新作で、孤独のむこう側にある奇跡の出会いをぜひ体験してほしい。

 

主な登場人物と声優のコメント

杏奈

杏奈
声/高月彩良
(たかつき・さら)
養母に育てられ、夏の間、海辺の村に住む夫婦のもとへ預けられることになった12才の少女。
「過去にトラウマを抱えた杏奈がマーニーと出会ってどんどん変わっていく姿をぜひ見てほしいです。二回、三回と見ていくうちにマーニーと杏奈のさまざまな感情を自分自身も実感していく、そういう感慨深い物語です。本当に何度も何度も見てほしいですね」

マーニー

マーニー
声/有村架純
(ありむら・かすみ)
海辺の村の誰も住んでいないはずの“湿っ地屋敷”にいる青い目をした金髪の不思議な少女。
「杏奈とマーニーそれぞれに共感できるところがたくさんあって、心の部分ではとてもリアリティのある作品だと感じました。とっても不思議な世界観で、観た方はその世界に包まれるような感覚になれると思います。そんな体験を杏奈と一緒にしてほしいですね」

頼子

頼子
声/松嶋菜々子

杏奈の養母。
「最初は映像の間と自分の演技を合わせていくことに苦戦しましたが、監督の優しくおっとりした雰囲気で緊張は和らぎ、とても良い経験をさせていただきました。完成した作品を娘達と一緒に観られたら嬉しいですね」

大岩清正

大岩清正
声/寺島進

夏の間、杏奈がお世話になる夫婦の夫。
「監督からは“自然体で”との説明を受け、能天気で大らかな清正を演じてみました。難しかったけれど刺激的でいい勉強になりましたね。自分の娘が楽しみにしてくれているので、娘孝行できたのがとても嬉しいです」

大岩セツ

大岩セツ
声/根岸季衣

夏の間、杏奈がお世話になる夫婦の妻。頼子の親戚にあたる。
「セツは太陽のような水のような空気のような……構えずに杏奈を包み込む憧れのキャラクターですごくいい役をいただけたなと思っています。人間が生きる芯のところを優しく幻想的に描いている作品です」

老婦人

老婦人
声/森山良子

最愛の夫に先立たれ、悲しみに暮れる老婦人。
「劇中歌を歌うシーンは、優しく、温かく、思いを込めて、さりげなく歌いました。一生懸命生きていれば何があっても大丈夫だと包み込んでくれる力強い作品になると思います」

ばあや

ばあや
声/吉行和子

湿っ地屋敷の使用人。
「私が演じたのはいじわるなばあやの役で、思い切り子どもたちを怒ったりするんですが、なかなかいい気分でした(笑)。この映画は大人でも子どもでも何かを感じる愛おしい作品になることと思います」

久子

久子
声/黒木瞳

岸辺で湿っ地屋敷の絵を描く女性。杏奈の憧れの存在。
「久子は絵を見るまでどんな人物かわからないところが難しく想像しながら練習しました。これは人間が成長する上で必要な条件のひとつ“愛される事”に焦点を当てた物語だと思います」

 

『思い出のマーニー』
7月19日(土)全国ロードショー

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心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、青い窓に閉じ込められた金髪の少女マーニー。それから杏奈の身に次々不思議な出来事が起こるようになる。二人の少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、杏奈は思いがけない“まるごとの愛”に包まれていく──。
監督/米林宏昌 声の出演/高月彩良、有村架純 脚本/丹羽圭子、安藤雅司、米林宏昌 原作/ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー』(訳/松野正子 岩波少年文庫) 作画監督/安藤雅司 美術監督/種田陽平 配給/東宝

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『新訳 思い出のマーニー』

ジョーン・G・ロビンソン/著 越前敏弥・ないとうふみこ/訳 7月10日発売
角川文庫 定価520円(税別)
角川つばさ文庫 戸部 淑/絵 定価740円(税別)

原作の舞台はイギリス。愛と友情と、孤独な少女の成長を描いた感動のロングセラー。越前敏弥とないとうふみこによる新訳でつばさ文庫と角川文庫から登場!

『思い出のマーニー ビジュアルガイド』書影

『思い出のマーニー ビジュアルガイド』

角川書店/編 7月19日発売予定
角川書店 定価1300円(税別)

美しいビジュアル満載で綴る完全ストーリーガイド。スタッフやキャストのインタビューも盛りだくさん。カバーは変更となる可能性があります。

『思い出のマーニー CARD COLLECTION』書影

『思い出のマーニー CARD COLLECTION』

角川マガジンズ/編 7月19日発売予定
角川マガジンズ 定価926円(税別)

スクリーンの印象そのままに、32枚のカードで綴る「思い出のマーニー」の世界。ポストカードにもなる、見て楽しい、使って嬉しいカードブック。