胸が熱くなる!読んでキュンとなる 集英社のオレンジ文庫から目が離せない

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更新日:2015/2/25

 1月20日に創刊された集英社オレンジ文庫は、日常のミステリーはもちろん、ファンタジーで、ロマンチックで……ほろり、ワクワク、ドキドキがいっぱいの極上の物語がそろえられたエンターテインメント。恋、友情、誰かを大切に思う気持ちが、そこかしこにあふれているから、心にほんのり、太陽のようなオレンジ色の輝きが生まれるはず。幸せのひとしずく、が丁寧に織り込まれたライト文芸の文庫のシリーズで、心豊かな毎日を過ごしませんか?
 

『異人館画廊 贋作師とまぼろしの絵』

谷 瑞恵 詩縞つぐこ/イラスト 560円(税別)

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見た人に破滅をもたらすという
呪われた絵を巡る美術ミステリー

千景は西洋美術史の専門家で、ロンドンで図像学を学んだ研究者。彼女の幼なじみの透磨は、画廊を経営している。ふたりは有名な画家の贋作が出回っている噂を耳にし、ある画廊を訪れた。だがそこに、それらしき贋作はなかった。数日後ふたりは、亡くなった画家の卵が贋作を描いていたかもしれないという情報を耳にして……。絵画をテーマに描かれる人の思い、葛藤、執念、人とのつながり。千景と透磨の過去と現在の関係。そして贋作は? 芸術を舞台に繰り広げられるミステリー。
 
谷 瑞恵先生からコメント!
オレンジ文庫で登場となりました、『異人館画廊』第2話は、にせものの絵画を巡るお話です。透磨の元カノが現れて、千景はなんだか落ち着きません。そんな中、事件解決に挑むキューブの活躍も! ぜひお楽しみください。
谷 瑞恵先生のインタビューは次のページ!

『雨のティアラ』

今野緒雪 結布/イラスト 550円(税別)

家族って、いいなあ と、すんなり思える
ほっこり、ぬくぬく、心温まるお話

高校生のメグムは三姉妹の次女。姉のカスミは大学生で、妹のキリは小学生だ。年の差はあるがメグムら三姉妹は、父と母の家族5人で仲良く暮らしていた。近県にはメグムの大好きな祖母もいる。進路のことで悩みはあるが、ごくふつうの日常を過ごしていた。それがあるとき、近所のホーンテッドマンションと呼ばれる三角屋根の洋館に、住人が引っ越してきて……、物語がくるくると思わぬ方向へまわり始める。互いを思いやることの大切さがジンジン伝わるハートウォーミングな家族のお話。
 
今野緒雪先生からコメント!
大学生、高校生、小学生の三姉妹を中心にした物語で、今回は真ん中のメグムの視点から描いています。家族のこと、進路のこと、恋のこと……。そりゃ、16歳ならいろいろ悩みもありますって。ぜひ、彼女と一緒にドキドキ、モヤモヤ、ワクワクしてみてください。

『時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎』

椹野道流 南野ましろ/イラスト 570円(税別)

過去に飛ばされた法医学生が王殺しの謎を解く
タイムスリップ・ミステリー

医学生の西條遊馬は、夏休みを利用して母の故郷であるマーキス島にやってきた。世界でも珍しい「法医学博物館」を訪れたとき、なぜか過去の世界に飛ばされてしまう。何が起こったのか把握できないまま、殺人現場に居合わせてしまったことで投獄された遊馬。そこで話しかけてきた男、ロデリックはこの国の皇太子であり、父である王を殺した疑いで投獄されていたのだ。ロデリックの無実を証明するように頼まれた遊馬だったが……!? “DNA鑑定のない時代”が舞台の法医学ミステリー!
 
椹野道流先生からコメント!
ファンタジー、ライトミステリー、法医学、美味しいごはん、いけてる兄さんたち、そして眼鏡。好きなものを片っ端から詰め合わせたら、こんな物語ができました。積年の夢だった南野ましろさんの表紙と共にお楽しみいただけたら幸いです!

『下鴨アンティーク アリスと紫式部』

白川紺子 井上のきあ/イラスト 550円(税別)

「開けてはいけない」蔵を開けたら、
次々と不思議なことが起こる着物の柄を巡るミステリー

高校3年生の鹿乃は、亡くなった祖母から譲り受けた着物を大切にしている。今日のいでたちも、着物。テーマは『鏡の国のアリス』だが、トランプ柄の羽織が見つからない。旧家である鹿乃の家には明治時代からの土蔵があり、そこに羽織があるとふんだ鹿乃は離れに住む准教授の下宿人・慧に、着物の虫干しの手伝いを頼む。慧は鹿乃の兄の友人で、10年ほど前からここで暮らしている。着物を蔵から運び吊るし終え、ひと休みをしてふと着物に目をやると、その柄が変わっていて……。
 
白川紺子先生からコメント!
京都の古い洋館を舞台にした、着物好きな少女と、ぐうたらな兄と、クールな准教授の下宿人のお話です。ちょっと不思議なミステリーに、兄妹愛に、歳の差恋愛にといろんな部分を楽しんでいただけたらと思います。

『鍵屋甘味処改 天才鍵師と野良猫少女の甘くない日常』

梨沙 ねぎしきょうこ/イラスト 550円(税別)

開かない鍵には理由がある。
家出少女と鍵師のやりとりに惹かれる心の鍵の物語

こずえがマンションを飛び出したのは昼過ぎだった。適当に電車を乗り継ぎ、知らない土地を歩き回る。夜になり、心細くなる。そう、こずえは家出中だ。だがひょんなことから、鍵師の淀川に拾われた。時給0円、住み込みでメシ付きの助手である。淀川とこずえの日常が始まった。鍵屋には依頼が多い。鍵屋は忙しい。「鍵のない場所なんてないから」だ。そして開かない鍵には“しまった秘密”があるかもしれない。こずえと淀川の開かない鍵を巡る心温まる謎解きファンタジー。
 
梨沙先生からコメント!
隠したい秘密はなんですか? 打ち明けたい秘密はありますか? 天才鍵師・淀川のもとに転がり込んできたのは“訳あり少女”のこずえ。突然はじまった奇妙な共同生活の行方は――? 日常に潜むヒミツと家族を結ぶ物語をほっこりお届けします。

『お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客』

真堂 樹 木下けい子/イラスト 550円(税別)2月20日発売

行く当てもない主人公が運よく(?)転がり込んだのは禅寺。
お坊さんライフが楽しめる一冊

失業した三久は、寺の門柱でつまずいた。まともに食事をしたのは、何日前だろうか。突然、「おい、こらっ!」雷のような大声が降ってきて、三久は気絶した。目を覚ますと、そこは禅寺の庫裡だった。三久は、貧乏寺の孤月寺に拾われたのだ。クールな美形僧侶の空円と、謎のチャラ男の覚悟のふたりが営むこの寺で、三久は僧侶見習いとして働くことに。だが、ほっとしたのも束の間、なぜか近所で起きた強盗傷害事件の容疑者にされてしまって……!? 3人の個性的な僧侶たちが珍事件を解決する、下町ほっこり人情譚。
 
真堂 樹先生からコメント!
舞台は、東京下町にある花の美しい赤字寺。住職の留守を預かるのは、美貌でクールな青年僧侶。仕事をクビになって行き倒れかけた三久の、シビアで刺激的なお寺ライフが始まります。“墨染め男子”と下町人情。ぜひぜひお手に取ってみてください!

『鎌倉香房メモリーズ』

阿部暁子 げみ/イラスト 590円(税別)2月20日発売

春の鎌倉。やさしい季節――。
思い出はこぶ、ほっこり、あったか。「香り」ミステリー

「その人が店に入ってきた時から、その人がかなしんでいることはわかっていた」。高校2年生の香乃は「花月香房」の店主の孫。各種お香、香木、香道具、薫香を扱う店番のアルバイトをしている。「香乃さんがどれだけ人の気持ちに敏感で真摯か、僕はよく知ってますよ」そう話すのは、ここでアルバイトをしている大学生の雪弥。香乃は人の気持ちが、その人の放つ香りでわかる体質だ。そして香乃は密かに彼に焦がれている。やがて人々が抱える問題に香乃が巻き込まれ……。
 
阿部暁子先生からコメント!
超能力というほどではなく、少しだけ人の気持ちがわかったら、という思いつきが出発点でした。人見知りの女子高生と、理屈屋の大学生が対のように生まれ、最終的に鎌倉の香房のメモリーズとなりました。お楽しみいただけたら、これほど嬉しいことはありません。

『ある朝目覚めたらぼくは 〜機械人形の秘密〜』

要 はる 鳥羽 雨/イラスト 550円(税別)2月20日発売

奇跡なんて、わりとそのへんに落ちている。
ひとりぼっちの少年が出会う、ひとりぼっちじゃない日常の物語

坂垣遼は生まれてすぐ両親が事故で他界し、ずっと親戚の間をたらいまわしにされた。それを救ったのが母方の祖父・賢蔵だ。だが賢蔵は3週間前に突然倒れ、帰らぬ人となった。本当なら、芸術家や職人たちが様々な店を出す集落「エデン」で、一緒にアンティーク雑貨店を営むはずだったのに。遼はそれでもひとり雑貨店を開く決意をする。いつからか持っているオルゴール人形を、孤独を理解しあえる仲間として連れて。そして“彼女”を店に飾ると、人形の持ち主だという少女が現われ……?
 
要 はる先生からコメント!
オレンジ文庫創刊、おめでとうございます。オルゴール、アンティークの雑貨店、中世ヨーロッパ風の建物、ネコ、犬、サンドイッチ……、好きなものをたくさん詰め込んだお話を書きました。ご一読いただければ幸いです。

『螺旋時空のラビリンス』

辻村七子 清原 紘/イラスト 550円(税別)2月20日発売

1843−1847。何度でも、君の死を繰り返す。
ロシアの至宝を追う時空泥棒たちの儚くも切ない
タイムループ・ミステリー

時間遡行機“アリスの鏡”が開発された近未来。喪われた美術品を過去から盗む泥棒のルフは、至宝インペリアル・イースターエッグを盗み、19世紀パリに逃亡した同僚のフォースを連れ戻し、エッグを奪還する任務を負う。だが彼女は高級娼婦“椿姫”マリーになりすまし、しかも不治の病を患っていた。帰還を頑なに拒む彼女の説得を試みるルフだが、彼自身も強制的にタイムループを繰り返せられてしまい……!? 歴史×SF×ロマンスの最強ミステリー!!
 
辻村七子先生からコメント!
本屋さんは世界一身近な異世界への入り口で、見た事のない背表紙は未知への扉でした。オレンジ文庫の創刊で、“扉”の一つとして加わる事ができる光栄を噛みしめます。読んでくださる人の、胸躍る旅のお手伝いができますように!

『映画ノベライズ ストロボ・エッジ』

下川香苗 咲坂伊緒/原作 桑村さや香/脚本 510円(税別)2月20日発売

話題の映画のノベライズ!
登場人物全員が、片思い? 恋に純粋な高校生たちのピュア・ラブストーリー

突然、胸にキュッとしめつけられるような痛みを感じた。たぶん、その日から恋ははじまっていた。木下仁菜子は、女子高生。好きになった相手は同級生の一ノ瀬蓮。けれど、蓮には彼女がいた……。恋に不器用で、好きという感情を抑えきれない主人公たちのドキドキ感がたまらない。
 
究極のピュア・ラブストーリーとして大ヒットしたコミック『ストロボ・エッジ』が映画化される。恋に奥手な女子高生・仁菜子を演じるのは有村架純、クールに見えるが優しくて繊細な蓮役には福士蒼汰と早くも話題沸騰中。3月14日から全国東宝系で公開。
©2015映画「ストロボ・エッジ」製作委員会 ©咲坂伊織/集英社

映画「ストロボ・エッジ」公式サイト

谷 瑞恵先生のインタビューは次ページに!>>>