田中麗奈「みんなの心の中に神様がいるんじゃないかっていう思いにさせてくれるんです」
更新日:2014/5/2
手塚治虫の『ブッダ』に感銘を受けた幼少時代。
「もともと、神社やお寺など、トラディショナルなものが好きだったんです」と話す田中さん。
しかし、それはあくまで感覚的なもの。
「佇まいを見て、『いいなぁ』って思ったり、いわゆる雰囲気が好きだったんですよね。
『ブッダ』に関しても同じで。
子どもの頃って、なんとなく空に向かって神様にお祈りしたりしますよね?
そんな時に、この作品に出会ったので、
『やっぱり神様って、みんなの心の中に住んでいるのかもしれない!』って思って。
その頃の思いが大人になった今もまだ生きていて、
次第にブッダに限らず、仏教の世界観にも興味を持つようになってきたんです」
そんな田中さんに、最近よく読むお気に入りの本をたずねてみた。
すると意外な答えが。
「太宰治やシェイクスピアなど、文学作品がマンガで書かれたものがあるんですね。
それがすごく分かりやすくて気軽に読めるので、よく買ってます。
もちろん、原作を読むのが一番なんでしょうけど、小説とは違った趣きがあるんですよね。
たとえば、一度読んだことのある作品についても、『イラストにするとこうなるんだ』っていう驚きがあったり、自分とは違う解釈で描写されていることもある。
新しい発見もあるので、おすすめですよ」
(取材・文=倉田モトキ 写真=山口宏之)
たなか・れな●1980年福岡県生まれ。98年、『がんばっていきまっしょい』で映画デビュー&初主演を果たし、数々の新人賞を受賞。その他、代表作に『山桜』『犬と私の10の約束』。近年は大河ドラマ『平清盛』や舞台『教授』などに出演。
『ブッダ』(全12巻)
舞台は紀元前6世紀頃のインド。クシャトリア(武士)の身分として何不自由なく暮らしていたゴータマ・シッダルタは、王位の座に就くも、人の生死や身分について思いを馳せ、やがて僧侶としての道を歩み始める。仏教発祥の背景や、人の心の豊かさを説いた、30年以上愛され続ける、手塚治虫の感動巨編。
『激流~私を憶えていますか?~』
原作/柴田よしき 脚本/吉田紀子 演出/佐々木章光 出演/田中麗奈、桐谷健太、国仲涼子、ともさかりえ、山本耕史ほか 6月25日(火)22:00〜〈全8回〉 NHK総合
●中学3年の修学旅行中、グループの一人だった冬葉が姿を消した。それから20年後、消息を絶った彼女からメールが届く。現在、出版社で働く圭子(田中)たちは再会を果たし、メールの真相を確かめるとともに、自身に振りかかる事件との関連性を探っていく。