北乃きい「趣味を特技に変えたい! 中国語で芝居をやるのが夢です。」

あの人と本の話 and more

更新日:2014/5/2

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。主演作『爆心 長崎の空』公開を控える北乃きいさんが、独自の読書術とともに今夢中になっている中国語について話してくれた。

「本を読むのが苦手なんです」と繰り返し語る、北乃きいさん。しかしそんな自己評価に反して、どうやら彼女はかなりの読書家らしい。

「苦手なぶん、じっくり読みますね。最近は、死にまつわるノンフィクションが好き。いまは『「死」の博学事典』(荒俣 宏 PHP文庫)を読んでいる途中です。アインシュタインと夏目漱石の脳みそを比べると、アインシュタインのほうが小さいんですって!
 そういうノンフィクション系の本と、中国語テキストのような実用書を、いつも2冊セットで読んでいます。そうすると自分の中でバランスがとれる」

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 4月からナビゲーターを務めている『テレビで中国語』(NHK Eテレ)は、北乃さんにとって趣味と仕事が重なるたいせつな場所。

「だんだん難しくなってきたから、いまはちょっとつらい時期ですね。でもこれを乗り越えて、ゆくゆくは中国語でお芝居ができるようになりたい。趣味を特技に変えたいんです」

 収録のたび、新たな言葉や文化に触れるのが楽しいのだとか。

「番組でご一緒している段文凝さんが、いま日本語を勉強しているんです。『若い子がしゃべる日本語を話せるようになりたいから、教えてほしい』と言われたので、先日『~じゃん』を教えてあげました。『語尾に“じゃん”という言葉をつけるとフランクな感じになりますよ』と教えたら、すごく喜んでくれて『ありがとじゃん』って(笑)。急いで『それは全然違います!』って伝えました」

(取材・文=釣木文恵 写真=下林彩子)
 

北乃きい

きたの・きい●1991年、神奈川県生まれ。2005年「ミスマガジン2005」グランプリの受をきっかけに、映画やドラマで幅広く活躍。07年『幸福な食卓』で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数受賞。主な近作に『アンフェア』(フジテレビ)、『天使はモップを持って』(NHK BSプレミアム)など。ニューシングル「ラズベリージャム」が発売中。
ヘアメイク=彰宏(ENISHI)
スタイリング=梶原浩敬(Stie-lo)

 

紙『気持ちが伝わる!中国語リアルフレーズBOOK』

中西千香/張一娟 研究社 1890円

「まさか」「ここだけの話だよ」「どんな男性がタイプ?」など、日常で使われる気さくな例文ばかりをピックアップ。ネイティブスピーカーが実際に話す口語表現を徹底的に集めた一冊。テーマ別に543個の短い表現が収録され、日常会話はもちろんドラマの聞き取りなどにも使える中国語テキスト。CD付き。

※北乃きいさんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ8月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『爆心 長崎の空』

監督/日向寺太郎 原作/青来有一『爆心』(文春文庫) 出演/北乃きい、稲森いずみ、柳楽優弥、杉本哲太、宮下順子、池脇千鶴、石橋蓮司ほか 配給/パル企画 7月20日(土)東劇ほか全国ロードショー
●平凡な大学生、門田清水の母が突然他界。些細なケンカをしたまま母を失った清水は大きな後悔を抱く。一方、被曝2世である高森砂織も娘を亡くした悲しみをひきずっていた。二人は偶然知り合い、心を通わせるが……。
(c) 2013「爆心 長崎の空」パートナーズ