瀧本美織「ほんわかするいい話なのかなと思っていたら、ホラーテイスト。私好みでした(笑)」
更新日:2014/5/2
「昔はファンタジーとか、夢があってほっこりするようなお話が好きだったんですけど、最近はゾクゾクするような小説ばかり読んでいる気がします」
きっかけは、湊かなえの『告白』だ。「語り手が変わっていく連作短編」という構成にも興味を惹き付けられたという。
「一つの事件がいろんな登場人物の口から語られるというスタイルなんですが、人によってぜんぜん見方が違うんです。事件の真相を早く知りたくて、怖かったり残酷だなと感じても、ページをめくる手が止まらなくなる。それ以降、湊作品の大ファンで、いつもゾクゾクしながら読んでいますね。これからもずっと読み続けたい作家さんです」
「これも怖くて面白かった」とちょっと前に読み終えた本の中からも1冊紹介してくれた。
『幻想映画館』(堀川アサコ 講談社文庫)。
「幽霊が見える女の子が主人公で、商店街にある古びた映画館を舞台にした物語なんです。タイトルと表紙の雰囲気からほんわかしたいい話なのかなと思っていたら、だんだん怖くなっていって、最後はホラーともいえる恐ろしさ。すごく私好みでした(笑)」
怖いもの好きが生じて、人に「怖い本」をオススメするのも好きだそう。
「怖いという感情って、人に伝えたくなりませんか? みんなにも同じ体験をしてほしいと思ってしまう。また怖いお話を見つけたら、オススメさせてください!」
(取材・文=吉田大助 写真=下林彩子)
たきもと・みおり●1991年、鳥取県出身。2010年公開映画『彼岸島』で女優デビュー。同年のNHK連続テレビ小説『てっぱん』で主役の座を射止める。主な出演作に、ドラマ『美男ですね』『ハングリー!』『GTO』『パーフェクト・ブルー』『妻は、くノ一』など。今夏公開のジブリ映画『風立ちぬ』で、ヒロイン・菜穂子の声優に抜擢された。
ヘアメイク=佐鳥麻子 スタイリング=寄森久美子(SMOOCH,Inc.)
『贖罪』
15年前、夏休みの田舎町で起きた、小学4年生の美少女殺害事件。一緒に遊んでいた同級生4人の少女たちは犯人の男の顔を思い出せず、結局、事件はお蔵入りに。被害者の母親が放った「犯人を見つけるか、それができなければ、償いをしなさい」という言葉の呪縛から、彼女たちは悲劇の人生を辿ることに。
映画『貞子3D2』
監督/英 勉 原作/鈴木光司『エス』(角川ホラー文庫) 出演/瀧本美織、瀬戸康史、大沢逸美、平澤宏々路、大西武志、石原さとみ(特別出演) 配給/角川書店 8月30日(金)全国ロードショー
●安藤楓子は大学院で臨床心理学を学ぶかたわら、姪の凪を育てている。彼女には、幼い頃に亡くした母は自分のせいで死んだというトラウマがあり、時折フラッシュバックする。そんなある日、5年前に世間を揺るがせた“呪いの動画”事件が再来していることに気付く。