中田敦彦(オリエンタルラジオ)「嫁が俺に突き付けた最後通告??」

あの人と本の話 and more

更新日:2014/5/2

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。本誌では『東京百景』をオススメしてくれたオリエンタルラジオの中田敦彦さん。だが実は直前まで迷っていたもう1冊の候補があった。「これってまさか嫁が俺に突き付けた最後通告か!?」と思って震えが走ったというそのタイトルは?

『高学歴男はなぜモテないのか』。ある朝起きたら、この本が家のテーブルの上に置かれてあったんですよ。『え、何、俺への不満が書いてあるの? 何でこれ買ったの?』って焦って嫁に聞いたら、『違うよ、(著者の)犬山紙子さんと共演して貰ったの』って。『あ、そうなんだ(安心)……でも俺今日読むわ!』ってその日のうちに移動の新幹線で読んだんですね。そしたらもう色々とドンピシャで。いやもちろん自分もですけど(笑)」

 自伝的小説『芸人前夜』でも描かれているが、中田さんは慶応大経済学部出身の“高学歴男”。クイズ番組での活躍ぶりを見たことがある人も多いだろう。

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「格下の男をバカにする男とか、ファッションが攻めすぎててモテない“キモイケメン”とか、具体例がね、どれもすごくわかりすぎる。これまではダメ男といえば、ギャンブル、酒、暴力みたいな基本スペックがない不良物件を指してたじゃないですか? 『だめんず・うぉ~か~』みたいな。でも今はそうじゃなくて、高スペック、物件に例えると広尾に立っている3LDKの日当たりがいいマンションなんだけど、住んでみたら傾いてたとか、トイレがすごく変な位置にあるとか、そういう嫌さ、使えない感じが書かれているのが面白い。普遍的なようでいて、実はすごく今の時代ならではの価値観なんですよね。同じ意味で『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ジェーン・スー著 ポプラ社)も面白かった。女性目線のこの2冊、プラス、本誌で紹介させてもらった僕の『芸人前夜』とピース・又吉さんの『東京百景』、それとオードリー・若林さんの『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を全部読めば、大人になるってどういうことなのかがすべてわかるはず! 5冊って多いですけど(笑)」

(取材・文=阿部花恵 撮影=川口宗道)
 

中田敦彦

なかた・あつひこ●1982年生まれ。2003年、大学在学中にアルバイト先で知り合った藤森慎吾とオリエンタルラジオを結成。NSC東京校10期生。日本テレビ系「ヒルナンデス!」、TBS系「爆報!THEフライデー」など多数のバラエティ番組に出演。『たまごクラブ』『ひよこクラブ』でも連載中。

 

東京百景書影

紙『東京百景』

又吉直樹 ヨシモトブックス/発行 ワニブックス/発売 1365円

読書好き芸人として本誌でもお馴染みのピース・又吉直樹が、上京してからの何者でもない日々、芸人として舞台にテレビに活躍する日々を、東京の100の風景と共に切り取った自伝的エッセイ集。中田さんいわく「装丁も中身も又吉直樹そのもの」。タイトルは彼が敬愛する太宰治の『東京八景』にちなんで。

※中田敦彦さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ1月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

『芸人前夜』

『芸人前夜』

中田敦彦 ヨシモトブックス/発行 ワニブックス/発売 1365円 
●鬱屈と空回りばかりだった10代の頃、初舞台で味わった圧倒的カタルシス、相方との出会いとコンビ結成秘話、NSCの過酷な洗礼、甘酸っぱい恋の記憶、ブレイクのきっかけとなった「武勇伝」誕生エピソードまで。『マンスリーよしもとPLUS』の連載をまとめた、疾走感あふれる自伝的小説。妻と娘への愛をストレートに綴ったエピローグも胸を打つ。12月7日にMARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にて、ピースの又吉直樹と書籍発売記念トークイベントを開催。