野村周平「『テラフォーマーズ』を実写化するなら、僕はぜひアレックス役で(笑)」

あの人と本の話 and more

更新日:2014/5/2

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『クジラのいた夏』で、自分の生き方に揺れ動く20代前半の若者をみずみずしく演じた野村周平さん。本の話題を中心に、最近ハマっているという幕末の話、そして本誌で紹介してくれた『テラフォーマーズ』についてアツく語ってくれました。

 普段は小説をよく読むという野村さん。

「表紙が気に入って買うことが多いですね。三浦しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』とか、湊かなえさんの『告白』とか。偶然見かけて、面白そうだなと思って手にとることがほとんどなんです。逆に世界観が好きで最近読んでいるのが、幕末を題材にした小説。特に司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』は一番のお気に入りです」

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 幕末好きになったきっかけは、マンガ『お~い!竜馬』だったそうだ。

「とにかく竜馬がカッコイイ! 生き方も行動もすべてがほかの人と違っていて、スケールも大きいし。そのうち、どんどん幕末の時代そのものにも興味を持ち始めたんです。あの時代があったからこそ、今の日本が生まれたんだろうなって思ったりして。だから、最近はいい加減に生きている若者を見ると、読ませたくなります。まずは『お~い!竜馬』を読んで、もっと生き方をちゃんと考えろ!って(笑)」

 そんな野村さんが今回紹介してくれた『テラフォーマーズ』を知ったのは、あるドラマのロケ現場だった。

「共演者の高杉真宙くんが持ってきてたんですよ。で、1巻を読んだらすごくハマっちゃって。コマの使い方が大胆だし、物語の展開も速くて。あまりに衝撃的な展開が多くて、“なんで、コイツが死ぬんだよ!”って本気で落ち込むこともありましたね(笑)。でも、そのあとで“無駄死にじゃなかったんだ……”ってわかって少し報われたり(笑)。いや〜、ホント新刊が出るのが待ち遠しいです」

 待ち遠しいといえば、この作品は近々アニメ化されることもすでにアナウンスされている。そのことについてうかがってみると……。

「アニメ化はうれしいです。どんな感じになるのか、今からすごく楽しみですし。でも、できればアニメ化だけでとどめておいてほしいなぁって思いますね。あるかどうかわかりませんが、実写化したら、すごくガッカリするような気がして……。とかいいながら、“主人公の小町小吉は坂口憲二さんがいいなぁ”とか、“いや、伊藤英明さんが合ってるな”とか、“膝丸燈を演じられるのは斎藤工さんしかいないかも……”なんて、勝手に頭の中でキャスティングを妄想して楽しんでるんですけどね(笑)。ちなみに僕が演じるなら、アレックス。あのハングリーな感じがいいですよね。実写化をしてほしくないような思いがありつつ、もしなったら絶対に出たい。そんな複雑な心境です(笑)」

取材・文=倉田基樹 写真=山口宏之

野村周平

のむら・しゅうへい●1993年兵庫県生まれ。俳優。2009年「THE PUSH!マン~あなたの周りのイケてる子募集~」でグランプリを受賞。その後、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』の佐藤光男役で脚光を集める。今年は映画『パズル』や秋公開の『日々ロック』のほか、7月からはドラマ『若者たち』にも出演。
ヘアメイク=藤原裕子 スタイリスト=吉本知嗣
衣装協力=ニット2万4800円(税別)(FORK/vendor TEL03-6452-3072)、パンツ2万5000円(税別)(lotholon/lotholon isetan TEL03-3352-1111)、ほかスタイリスト私物

 

『テラフォーマーズ』書影

紙『テラフォーマーズ』(1〜8巻)

貴家 悠/作 橘 賢一/画
集英社ヤングジャンプC 各514円(税別)

21世紀中頃、火星を人間の住める環境にするため、苔とゴキブリを火星に放った。が、500年後、そこには巨大化し、進化したゴキブリ(テラフォーマー)が群れをなしていた。ヤツらを駆除すべく世界中から戦士が集められ、火星に向かうも、中国班の裏切りやロシア班の隠れた行動により、戦いは三つ巴の様相に……!

野村周平さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ5月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『クジラのいた夏』

監督/吉田康弘 脚本/大浦光太、吉田康弘 出演/野村周平、松島庄汰、浜尾京介、松岡卓弥、佐津川愛美ほか 配給/ユナイテッドエンタテインメント 5月3日(土)ロードショー 
●自分に何ができるかわからないまま日々を過ごすチューヤ(野村)は、上京を決意。高校時代からの親友であるJ(松島)やギズモ(浜尾)たちが送別会を開くと、チューヤの心は揺れ始める。そんなとき、密かに思い続けていた弓子先輩と再会する。
(c)2014「クジラのいた夏」製作委員会