乃木坂46・高山一実「いつか私も、娘から母親になる、その日のために」

あの人と本の話 and more

公開日:2014/11/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、10枚目のシングル「何度目の青空か?」がオリコン1位に輝いた、アイドルグループ「乃木坂46」の高山一実さん。湊かなえ作品の大ファンで、本誌では『少女』をオススメしてくれたが、他にもたくさん語りたいことがあるそうで……。

 高校の時、湊かなえのデビュー作『告白』に出会い、第2作『少女』を読んで「度肝を抜かれました」。ミステリー全般が好きだが、よしもとばななの恋愛小説も好き。読書が趣味となり、高校の頃は図書室に入り浸っていたという。

「司書の先生とも、本についていろいろ話すようになったんです。先生と仲良くなったおかげで、湊さんの新作が図書室に入ると、私の机までわざわざ届けてもらえるようになりました(笑)」

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 乃木坂46のメンバーとなり、千葉から東京へ出てきてからは、なかなか本を読む時間が取れずにいた。しかし、3年間走り続けてきた経験で、自分なりの生活リズムを見つけることができるようになったという。今は仕事の合間に、読めずにいた湊作品の新作を一気読みする日々だ。

「最近読み終えたのは、『母性』です。母と娘の葛藤を描いた物語なんですが……全母親に読んでほしい! ダメな母親の例が載っているんですよ。小説の中の言葉で印象的だったのは、母親というのは、母親であり娘でもあるということ。“いつまでも娘のままでありたい”っていう気持ちだけだと、自分に子どもができたとしても、いい母親にはなれないですよね。

 私は今、お母さんにすごく助けられています。休みの日には、私が一人暮らししている家にやってきて、料理を作ってくれたり、掃除を手伝ってくれたり。お母さんに頼りっぱなしです。でも、まだぜんぜん考えたこともないけど、私もいつか子供を産み、その時になっても私がいつまでも娘気分で、お母さんに甘えてばっかりだったら、子供がかわいそう。私もいつか、ちゃんと母親になれるように……料理もお掃除も、もうちょっとずつ頑張ります(笑)」

取材・文=吉田大助 写真=下林彩子

高山一実

たかやま・かずみ●1994年2月8日生まれ。千葉県出身。2011年8月、乃木坂46第一期メンバーオーディションに合格。デビューシングル「ぐるぐるカーテン」(2012年2月)から最新シングル「何度目の青空か?」(2014年10月)まで、10作連続の選抜入りを果たした人気メンバー。愛称は「かずみん」。特徴的な声質とトーク力で、乃木坂46のバラエティ担当として大活躍中。
ヘアメイク=髙橋稚奈

 

『少女』書影

紙『少女』

湊 かなえ 双葉文庫 619円(税別)

高校2年の夏休み前。由紀と敦子は、転校生の紫織から、かつて親友の自殺を目撃したという告白を受ける。人が死ぬところを見てみたい─。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年と交流。敦子は老人ホームの手伝いをしながら、死の瞬間を待ち望む。ふたりの思惑が意外な化学反応を起こし、やがて……。

高山一実さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ12月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

CD「何度目の青空か?」

乃木坂46 ソニーミュージック 通常盤972円(税別)
10枚目のシングル。タイトル曲は“二度とは戻らない青春ストーリー”をテーマに、乃木坂46のプロデューサー・秋元康が作詞。学園風景の描写の中に、「青春を見逃すな」「今の自分を無駄にするな」というフレーズが光る。センターポジションは、現役高校生の生田絵梨花が務めた。初週売上は約47.9万枚で、自己最高記録を更新した。