(臼田あさ美)これまでの女優人生の中で受けた最大級の衝撃とは?

あの人と本の話 and more

更新日:2013/12/19

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『東京プレイボーイクラブ』で男たちに翻弄される女性・エリ子を演じた臼田あさ美さん。これまでになかった役柄を演じたこの映画の撮影現場で、女優人生において最大級の衝撃を受けたというのだが…。

臼田さんが今回の映画で共演したのは、大森南朋と光石研という二人のベテラン役者。彼らは場末の街のデッドヒートをとてつもない緊張感で演じきった。

「とにかく、お二人とも
演技のスイッチの切り替えがすごいんです。
直前まで昼ごはんの話とか和やかに話していたのに、
本番! と声がかかった瞬間、
グワッとテンションが上がって、空気を一変させる。
これまで、私は本番のずっと前から
気持ちを作っていたのですが、
一瞬で役になりきるお二人の迫力にのまれて、
今回はそんなものどこかにふっとんでしまって。
でも、それがよかったんです。
役者としての真の実力を見せつけられて、
すごく刺激を受けました。

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奥田監督はそんなお二人の芝居を見て、
ある意味いちばんテンションが高かったというか、
常に前のめりで撮影されてましたね。
私よりも歳下(撮影時24歳)なのに、
とても柔軟性がある方で、私の意見も聞いてくださるし、
すごくいいコミュニケーションの中で撮影できました。

今回の現場での出会いは、私の女優人生の中で
とても意味あるものになったと思います」

(取材・文=門賀美央子)

臼田あさ美

うすだ・あさみ●1984年、千葉県生まれ。10代からファッションモデルとして活躍し、2003年、ドラマ『ひと夏のパパへ』で女優デビュー。以降、映画やドラマ、CMなどで活躍。主な出演作に、映画『恋空』『色即ぜねれいしょん』『ランブリングハート』、ドラマ『龍馬伝』『鈴木先生』『胡桃の部屋』など。2月公開の映画『キツツキと雨』、連続ドラマW『分身』にも出演。

 

紙『KAHLO 1907-1954:PAIN&PASSION』

ANDRES KETTENMANN/TASCHEN

フリーダ・カーロは、1907年メキシコ生まれ。小児麻痺で不自由となった右足、18歳の時にはバスの事故で瀕死の重傷を負い、以降47歳の若さで病没するまで、彼女は苦痛との激しい闘いを強いられた。そんな過酷な運命にあっても、彼女の創作意欲は旺盛で数多くの絵画を遺した。プリミティブな色彩とシュルレアリスムの手法を取り入れて描かれたフリーダの絵は、そこに込められた情熱と痛みが多くの人々の共感を呼び、今も愛され続けている。本書は代表作を収録するとともに、編者による評伝を掲載。

※臼田あさ美さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ3月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『東京プレイボーイクラブ』

監督・脚本/奥田庸介 出演/大森南朋、光石研、臼田あさ美、淵上泰史、赤堀雅秋、三浦貴大、佐藤佐吉 配給/スタイルジャム 2月4日(土)、渋谷・ユーロスペース、シネマート新宿ほかにて全国公開 
●感情の爆発をおさえられない男、勝利。失職し、友人の成吉を頼って東京に出るが、そこでも地元のヤクザ相手にトラブルを起こす。成吉は店の金を盗んだボーイの彼女・エリ子をヤクザに差し出し、事を収めようとするが……。自主制作映画で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞した奥田庸介監督が、24歳で完成させた劇場映画デビュー作。
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