玉森裕太(Kis-My-Ft2)「僕もきっとルフィと同じ気持ち。メンバーがいない日々なんて想像できないです」

あの人と本の話 and more

更新日:2019/5/20

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、5月31日から公開される映画『パラレルワールド・ラブストーリー』で主演を務める玉森裕太さん。撮影現場での共演者とのエピソードや、大好きなマンガ『ONE PIECE』を通して感じる“仲間”への想いをお聞きしました。

 愛する恋人・麻由子と幸せな日々を送る世界と、親友の智彦が麻由子と恋人同士になっているもうひとつの世界……。玉森裕太さん主演の最新作『パラレルワールド・ラブストーリー』は映像化不可能と言われ続けた、東野圭吾原作の傑作ミステリーだ。主人公の崇史を取り囲む恋人と親友役に吉岡里帆、染谷将太と豪華キャストの共演も話題になっている。

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「お二人とも、共演してみて印象的だったのは“目”でした。染谷くんとの最初の撮影が、ドア越しに《崇史も麻由子のこと好きなんだろ?》と問いただされるシーンで。自分の恋人を取られそうになる哀しみや恨みなどが入り混じった表情で僕をじっと見てきたんです。その時の“目”にやられた感がありました。また、吉岡さんの崇史を見る目も印象的で。恋人としての感情を持って見ているのか、それともほかの理由があるのかが、一緒に演じていてわからなくなってくるんです。そうした曖昧な麻由子の想いもこの作品の肝になっているので、ぜひ注目してご覧いただければと思います」

 役を演じるにあたって、原作を3度も読み返したという玉森さん。普段から、「気分転換で本を読むことが多い」そうだが、最近では『“It(それ)”と呼ばれた子』(デイヴ・ペルザー:著、田栗美奈子:翻訳)をお気に入りの一冊に挙げる。

「それ以外だと、アクセサリーや洋服を手がけるデザイナーさんの本もよく読みますね。ファッションが好きというのもあるんですが、どういう生き方をしていたら、デザインの発想が生まれるのかと興味が湧いて、知りたくなってしまうんです。また、そうやっていろんな才能ある人たちの生活や思考を知ることで、僕自身も成長できたらなと思ってます」

 なお、本誌の“おすすめ本”として紹介してくれたのは尾田栄一郎の『ONE PIECE』。普段、マンガを読むことのない彼が、唯一はまった作品だという。その理由を聞いてみると、「冒険の楽しさや物語の展開の面白さもありますが、僕が一番好きなのはルフィが仲間を思う気持ちなんです」
とのこと。玉森さん自身もKis-My-Ft2で活動しているだけに、いつも“仲間”について考えることが多いそうだ。

「“仲間”って、友達とも家族とも違うんですよね。一緒にいる時間を考えると家族よりも長いし。Kis-My-Ft2も、もともと赤の他人同士が集まって、10年以上同じような時間を過ごしている。そう考えると、ちょっと気持ち悪いですよね(笑)。それに、当然たくさんケンカもしてきましたけど、今となっては、ちょっとした口論とか意見の食い違いとか、そんなことで離れられるような存在じゃなくなってきている。メンバーがいない日々なんて想像できないですし。ほんと、“なんで俺、こんなにもメンバーのこと好きなんだろう?”って自分でもわからないんですけど、それぐらい大切な存在なんです」

 ちなみに、メンバーの北山宏光も先日、初の主演映画『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』が公開されたばかり。そのことについてうかがってみると……。

「もちろん、すぐに拝見して、感想も伝えましたよ。ラストで大好きなシーンがあったので、そのことを話したら、ものすっごく照れた顔で、『あ、ありがとう……』って言ってましたね(笑)。普段あまり見ない、なかなかに気持ち悪い顔をしてました(笑)。きっと、僕の『パラレルワールド・ラブストーリー』も観てくれると思います。ただ、僕はみんなに、『感想を言わないで』って話しているので、どう思うかはわからないです。この作品に限ったことではなく、自分の作品の感想を聞くのが恥ずかしくてしょうがないんです。僕がみんなに感想を言って、恥ずかしそうにしている姿を見るのは好きなんですけどね(笑)」

玉森裕太(Kis-My-Ft2)
たまもり・ゆうた●1990年、東京都生まれ。2004年、『DREAM BOYS』で舞台初出演。11年にKis-My-Ft2としてCDデビュー。同年、ドラマ『美男ですね』で初主演をはたした。また、初主演映画は15年『レインツリーの国』。現在、『キスマイ超BUSAIKU!?』『10万円でできるかな』などに出演中。

 

(取材・文:倉田モトキ)

 

映画『パラレルワールド・ラブストーリー』

原作:東野圭吾『パラレルワールド・ラブストーリー』(講談社文庫) 監督:森 義隆 脚本:一雫ライオン 出演:玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太、筒井道隆ほか 配給:松竹 5月31日(金)全国ロードショー 
●崇史は、同じ職場に通う恋人の麻由子と順風満帆な生活を送っていた。しかし、ある朝目覚めると、恋人・麻由子と親友である智彦が恋人同士の世界に迷い込んでしまい……。目が覚める度に変わる世界で崇史は真実の世界に辿り着けるのか。
(c)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会 (c)東野圭吾/講談社