いまもっともホットなスポット、「足立区」が熱い!

社会

更新日:2012/11/21

  狭いながらも多彩な地域によって成り立つ、日本の首都・東京。『金曜日の妻たちへ』が社会現象化した80年代には多摩ニュータウンが脚光を浴び、90年代後半には竹下通りの外れに人気ブランドが集中したことから裏原宿ブームが起こったりと、時代の変化とともに人気スポットも移り変わってきた。ヒルズ族と呼ばれたIT長者が集結した六本木熱も、いまとなっては懐かしくすらある。そして、2012年。いまもっともホットなスポットとして評判なのが、足立区だ。

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 足立区といえば、あの名作ドラマ『3年B組金八先生』の舞台として知られる、東京の下町エリアのひとつ。昨年には、ノマドワーカーとして注目を集める安藤美冬がブログで、「“クリエイティブな仕事をされているのに、足立区”なんていうのじゃ、もったいない。」と述べ、この発言がネット上で非難されたことでも記憶に新しい。しかし、いわれのないdisを覆すがごとく、その魅力を伝える本が出版された。

 それが、10月29日に発売された『足立本』(エイ出版社)というムックだ。表紙に力強く印刷された「足立区の本気、魅せます。」の文字が頼もしいが、中身も超濃厚。なかでも目を引くのが、本格的なビストロやオシャレなカフェの多さだ。流行りのバルはもちろん、歴史を感じさせるオーセンティックバーに、忘れてはいけない昭和情緒を残す名酒場がズラリ。この充実ぶりはオシャレとオジサン臭を分けてエリア構成されている東京の退屈さを吹き飛ばす威力がある。

 さらに、足立区の個性を象徴しているのが、学校給食への取り組みだろう。『日本一おいしい給食を目指している 東京・足立区の給食室 毎日食べたい12栄養素バランスごはん』(足立区「おいしい給食」製作委員会:著、足立区教育委員会 おいしい給食担当:監修/泰文堂)は7万部を突破するほど注目を集めているが、それもそのはず。栄養バランスは当然のこと、旬の食材を取り入れた多彩なメニューはどれもおいしそう! しかも、西麻布「リストランテ アルポルト」のオーナーシェフの片岡譲や「四川飯店」グループ総料理長の菰田欣也といった日本を代表する名料理人たちが考案した“スーパー給食”や世界のめずらしい料理も登場。生徒たちが新潟県魚沼に出向いて米作りを体験したり、校内の菜園で小松菜を栽培するなど、体験型の食育にも力を注いでいるのだ。

 このほかにも、“日本のものづくり”を支える町工場が「足立ブランド」と呼ばれ、全国からも熱い視線を集めている足立区。都心へのアクセスも便利で、かつ四方を川に囲まれた立地には、自然も豊富。肩の力を抜けるリラックス空間に、“新しいものを生み出そう”という刺激の交歓。オシャレを看板にしただけの街よりも、よほどクリエイティビティにあふれているのではないだろうか。

 この異種混合の魅力を体験したい人は、『足立本』を片手に、足立区に足を運んでみてほしい。