フェティシズムも細分化の傾向? 濡れフェチ歓喜の写真集が登場

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/25

  世の中には実に多種多様なフェティシズムが存在する。「濡れフェチ」というものもそのひとつで、服を来た女の子(または男の子)が、その状態のままで全身に水を浴びたり水中に潜ったりして、水が衣類の中に染みとおって服が体に貼りついた様子を楽しむというもの。また、その感覚を楽しむ人も濡れフェチに分類される。

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 雨などのせいで制服やシャツが濡れ、隠された肌が透けてあらわになる。その様子にドキドキした経験がある人も多いのではないだろうか。それを極めたのが濡れフェチの人々なのである。そんな、マイノリティな濡れフェチが歓喜するような本、『びしょびじょ トコロかまわずビショヌレなオンナたち』(サトウテツオ/マイウェイ出版)が11月13日に出版された。

 タイトルだけでもう、“その筋”の人にはたまらないのではないだろうか。この本は「濡れ透け」をテーマにしたフェチ系写真集で、さまざまな格好をした女性達がいたるところでびしょ濡れになっている写真が多数収録されているのだ。

 カメラマンは『OSHIRIのある風景』(コスミック出版)や『CHIBUSAのある風景』(コスミック出版)など、フェチ系の写真集を撮り続け人気を博しているサトウテツオ。そんな彼が撮った「濡れ透け」写真にハズレがあるわけない。

 と、いうわけでドキドキしながらページを開いてみると、タンクトップにキャミソール姿、ナース、キャリアウーマンといった女性達が次々と水をぶっかけられ、ときには自分で水をぶっかけているのだ。これは濡れフェチならずとも、思わず興奮してしまうのではないだろうか。

 しかし、なかには「これどんなシチュエーション?」と首を傾げてしまうものもある。例えば、カフェテラスで楽しくおしゃべりしている2人の女性の上から店員さんがピッチャーに入った水をぶっかけていたり、道で手を挙げてタクシーを止めようとしている女性に正面から大量の水をぶっかけていたり。さらには工事現場と思われる場所でたむろする女子高生4人組にショベルカーで水を頭からぶっかけているものまであり、場所のセレクトの謎もさることながら「そこまでしなくても」という思いにかられてしまう。

 このように笑わせてくれるようなところも多いが、最初から最後まで乾いた服を着た女性はほとんど出てこないという「濡れ」に対する徹底ぶりはハンパではない。しかしながら、ネットでは「コレジャナイ感がすごい」や「これ作った奴、何にもわかってないな」などの意見も見られる。シチュエーションや水の勢いなど、さらなる細かいこだわりがあるようだ。「濡れフェチ」というだけでも十分細かすぎる趣味と思ってしまうが、フェチのこだわりと欲望は尽きないということか。

 『びしょびじょ』だけでなく、『絶対領域』(青山裕企/一迅社)や『ぱいすら女子』(大根篤徳/グライドメディア)など、ワンテーマのフェチ系写真集が人気を集めているが、フェチ写真集のネタはまだまだ埋もれていそう。フェチの世界は奥深い。