恥ずかしがり屋の女子が、男子と仲良くなるには?

マンガ

更新日:2012/11/29

 恥ずかしがって真っ赤になった女の子ほど可愛らしいものはないですよね? 『はぢがーる』(みやびあきの/芳文社)なら、そんな女の子を思う存分堪能できるマンガだ。

 主人公の紗江は、すっごく恥ずかしがり屋な女の子。男の子に対してどう接したらいいかわからず、生まれたときから父親の顔さえまともに見れないほど筋金入りの男性恐怖症。それを克服するために彼女が身につけたのは、男の人の前でだけキリッとしたキャラを演じること。

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 そんな紗江に、とんでもない課題が次々と出されることになってしまう。彼女の前に現れたのは、愛の天使らぶりん100号という謎の少女と、愛の神様の卵。そして、卵が命じる課題をクリアすると素敵な恋が約束されるが、ひとつでも失敗すると永遠に異性と結ばれないと言われてしまうのだ。

 これから先の人生も左右する大切な課題のひとつ目は、なんと「クラスメートに抱きつく(24時間以内)」というもの……!? 

 恋人でもない相手に抱きつくなんてすごく勇気がいるし、タイムリミットまで決められているのだから焦る。しかし、普段男子と話すことのない紗江にとって、いきなり抱きつくなんてハードルが高すぎる。偶然を装ったり、「抱きつかせてください」とお願いするか、抱きつかせてくれる人を募集するか……。あれこれ考えるが、偶然にも助けられなんとか課題をクリア。真っ赤になって、心の中では「死にそう」と思いながらも、相手の本田君には「私の家では感謝の気持ちをハグで表すだけよ」とキリッとしてしまう。そのツンデレ具合もたまらない。

 次に出されたのは「男の子と間接キスをする(2日以内)」という課題。「ひとくちちょうだい」と言って飲み物をまわし飲みしたりすればいいのかもしれないが、男の子とまともにしゃべったこともない彼女にそんなことができるはずもない。自分が先に口をつけた飲み物を相手に渡す、本田君が飲み終わって捨てたコップをゴミ箱から拾う……いろいろ考えたあげく、紗江が選んだ方法は、なかなか変態っぽいもの。しかし、恥ずかしがり屋の紗江が考えて考えて選んだ精一杯の方法だからこそ、可愛らしさのほうが際立つ。実際、課題をやり遂げたあとの紗江は顔から火がでるほど真っ赤になり、気絶してしまうのだ。これほど純情な紗江にこんな課題をさせるのはかわいそうな気もするが、読者のS心をくすぐることは間違いない!

 そんな紗江に変化が起きるのは「男の子にかわいいと褒めてもらう(5日以内)」という課題を出されたとき。鏡の前で2時間も髪をいじってから学校に向かったのに、本田君ではない男の子から「かわいいじゃん」と言われてしまい、なんだか「もやっとする」のだ。相手は誰でもよかったはずなのに、知らず知らずのうちに、本田君のことが気になりだしていた紗江。意地でも本田君に「かわいい」と言ってもらうため、本田君の前で髪をかきあげてみたり必死にアピールするのだが、全く気付いてもらえない。そんな紗江の一生懸命ぶりは、見ているこっちもつられて恥ずかしくなるほど。でも、そこが彼女の可愛らしいところ。

 ほかにも「お姫様抱っこ」や「ツーショット」といった課題を出されるのだが、恥ずかしがり屋ゆえに選んでしまう意外な方法も見どころだ。さらに、11月12日に発売された3巻ではついに「キス」の課題が! 紗江は無事課題をクリアすることができるのか? ぜひ本を読んで確かめて欲しい。