2012年のエッセイ・ノンフィクションNo.1が決定!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/25


 雑誌『ダ・ヴィンチ』で毎年恒例となった「BOOK OF THE YEAR」。その年の、もっとも読み応えのあった本をジャンル別にランキングする人気企画の結果が今年も発表された。

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「『舟を編む』で2012年本屋大賞を受賞した三浦しをんって、どんな人?」という問いに答えるような洒落たタイトルは、既存ファンのツボも大きく突いたよう。『お友だちからお願いします』が堂々の1位に!

 2006年から新聞、雑誌などに掲載した短編エッセイを一挙収録した本書はまさに著者の“日常の系譜”。
 
 2位『仙台ぐらし』も、仙台で執筆活動を続ける著者の、地元密着の日常が綴られた、これまでにない一面を見せる1冊である。4位『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』など、今年は“つれづれなるままに”というエッセイ本来の持ち味をストレートに生かした作品が支持されたのが特徴。

 そんな中、3位にランキングしたのが、角田光代と穂村弘が、男女の立場からリレー形式で恋愛を考察した『異性』。「新感覚のエッセイ」として楽しんだとともに、作家、歌人として、それぞれが追求するテーマ“恋愛”の素の部分が見えたという意見が多く寄せられた。

 同誌では全10位11作を紹介するほか、趣味・実用本ランキング、ビジネス・自己啓発本ランキングなども掲載されている。


1位『お友だちからお願いします三浦しをん 大和書房
2位『仙台ぐらし』伊坂幸太郎 荒蝦夷
3位『異性』角田光代、穂村 弘 河出書房新社
4位『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』村上春樹/文 大橋 歩/画 マガジンハウス 
5位『第2図書係補佐』又吉直樹 幻冬舎よしもと文庫

文=河村道子
(『ダ・ヴィンチ』1月号「BOOK OF THE YEAR 2012」より)