究極の2次元ヒロイン“人外女子”萌えブームが密かに拡大中

マンガ

公開日:2012/12/19

 ツンデレ、ボクっ娘、妹系に男の娘などなど、マンガやアニメのヒロインは現実ではなかなか実現できない魅力を備えている場合も多く、「2次元ならでは」といわれたりもするもの。そんななか、ここのところジワジワと人気が上昇しているのが、究極の「2次元ならでは」ともいうべき、人外娘が登場するマンガだ。

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 人間でないヒロインというのは、何もそれほど珍しくはなく、『ああっ女神さまっ』(藤島康介/講談社)の女神たちや『神のみぞ知るセカイ』(若木民喜/小学館)の悪魔たちなど、神や悪魔といった女性キャラクターは定番設定のひとつだ。しかし、そうしたキャラクターたちは、基本的にはほぼ人間と同じ姿。最近の“人外萌え”では、姿形が人間とは明らかに異なるヒロインに注目が集まっている。

 この人外娘というジャンルの人気ぶりを裏付けているのが、『モンスター娘のいる日常』(オカヤド/徳間書店)。蛇の体を持つラミアや鳥と人間のハーフのようなハーピーといったヒロインが登場するちょっとエッチなラブコメである本作は、9月に1巻が発売されると品切れとなる書店が続出。あっという間に重版を重ね、すでに10万部を超えるヒット作となっている。異種族間交流の一環として突然自分の家にラミアらがホームステイすることになった少年が主人公で、蛇の体に締め付けられたりといろいろと苦労をする様子が描かれるが、慣れてくるとこれが妙に魅力的に……。「鳥や馬はともかく、蛇娘は……」と抵抗を感じるかもしれないが、読んでみるとこれが意外といけるのだ。

 また、『モンスター娘のいる日常』と同じcomicリュウで連載中『セントールの悩み』(村山慶/徳間書店)も“人外萌え”に特化した作品。ケンタウロスの女子高生ヒロインを始め、“竜人”、”翼人”といった人間でない種族が暮らす世界の日常を描き、話題を呼んだ。人外でさらに百合系の話だったり、ケンタウロスの馬部分である下半身にフィットするズボンがかわいかったりという点もポイントで、人外娘初心者にも入りやすい作品といえるだろう。ちなみに、人外といっても、基本的に顔はほぼ人間というのが基本だが、最近のエピソードでは顔も人間離れした南極蛇人という人種も登場。かなりディープな人外萌えまでカバーしつつある。

 萌えに特化したジャンル以外でも、『東京カラス』(宮下裕樹/小学館)のカラス娘や、ウェブマンガ誌・となりのヤングジャンプで連載中の『f人魚』(G3井田)の腐女子人魚、アニメ化もされたまさかのゴキブリヒロインマンガ『ごきチャ』(るい・たまち/芳文社)など、人外ヒロインはジワジワ増加中。猫耳しかり、“人間じゃないヒロイン”という切り口は従来からあるものだが、“人外萌え”というフレーズが与えられたことで、ひとつのジャンルとしてますます加速していきそう!?