もしも、あの独裁者が女の子だったら?

マンガ

更新日:2013/1/10

  主人公がある日突然女の子になってしまう『にょたいかっ。』(龍炎狼牙/メディアファクトリー)や、戦国武将を女体化した『織田信奈の野望』(春日みかげ:著/みやま零:イラスト/ソフトバンククリエイティブ)など、マンガやラノベ界において空前の女体化ブームが来ている。

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 さらに、来春にはなんと直木賞作家の佐藤賢一が書いた『女信長』(毎日新聞社)もドラマ化されるというのだ。そんな女体化ブームはとどまるところを知らず、今度は実在した独裁者まで女体化しちゃったらしい。

 11月29日に発売された『にょたいか!! 世界の独裁者列伝』(イカロス出版)では、ヒトラーや毛沢東といった20世紀に入って実際に政権を握った独裁者たちがかわいらしい女の子として描かれている。

 まず、独裁者と言われて最初に思い浮かぶのはやはりヒトラーだろう。そんな彼は、美術部の女子高生として描かれているのだ。実は画家を志望していたヒトラー。両親の死後は美術学校を受験するためにウィーンに上京したのだが、その受験に失敗し、親の年金で絵葉書を描きながら暮らしていたそうだ。その間に当時流行していたドイツ民族主義と反ユダヤ主義に染まったことで、彼の政治活動への道が開かれる。自らの本質を「政治家ではなく芸術家」と語り、政権を握ってからも建築家を軍需相として起用したり、彼の気に入らない芸術は頽廃芸術と呼んで禁止するなど、かなりのこだわりを見せていたようだ。

 そして、表紙にもなっているのは、かぼちゃパンツを履いた毛沢東の姿。ネットでは、これを見た中国人から「233(※大笑いの意味みたい)」「给毛主席跪了…… (訳:毛主席にひざまずきました)」「南瓜短裤太棒了!(訳:カボチャのショートパンツはすごい)」といった反応があったそう。1958年には当時世界第2位の経済大国だったイギリスを追い越すと宣言し、子供のような無邪気さで国民に現実を無視した過酷なノルマを課した彼。それを、かぼちゃパンツの似合う幼い子供で表しているのだろうか?

 また「アラブの狂犬」と呼ばれたカダフィを表すのは、女体化に加えて犬の耳としっぽまでついたかわいらしい軍人の姿。そんな彼が、怒りに任せて国旗を緑一色に塗りつぶしている最中なのだそう。1972年に汎アラブ主義を唱えるカダフィの下、リビアとエジプト、シリアの3カ国からなるアラブ共和国連邦が成立したが、エジプトの大統領がイスラエルとの和解に応じたことで事態は一変。それに激怒したカダフィが、当時エジプトと同じだったアラブ共和国連邦の国旗を一晩のうちに緑で塗りつぶしてしまったという話から描かれたようだ。

 こんなふうに、あだ名や趣味のエピソードによって女体化されてしまった独裁者たち。どんなに国民から恐れられた彼らでも、かわいい女の子にしてしまえば怖くない?