大泉洋 下積み時代のススキノの思い出を語る

芸能

更新日:2011/9/16

 札幌・ススキノを舞台にした映画『探偵はBARにいる』。
主演した大泉洋が、原作者の東直己との対談の中で、意外なススキノデビューエピソードを明らかにした。:ススキノには、原作の舞台になっている1980年代頃、4~5年くらい住んでいたんです。ハードボイルドっていうジャンルは、「ある一時代の街と、そこに生きる人々」を描くのに適したジャンルなんですよ。ススキノという、自分が一番よく知っている街を表現しようとするなら、うってつけだったんですね。大泉:ススキノって、子供の頃は怖かったですけどねぇ。不良が行く場所だとか思ってたし、風俗店だとか飲屋街っていうイメージもありました。でも、ススキノにはデパートもあればおしゃれな洋服屋さんも、なんでもかんでも全部集まってる。自然とだんだん、遊び場になっていきましたね。まぁススキノで本当に“遊べる”年になったぐらいの時にはもう、テレビに出始めちゃったから、遊んでないんですけど。

:今の話、よくわかります。テレビなんかに出ちゃってると、ススキノとかね、北海道で飲んでる時は緊張するじゃないですか。酔っ払えないぞ、だらしなくできないぞ、とか。前に取材で津軽半島に行ったんですよ。津軽まで行ったら僕の出てるUHBなんて誰も見てないやって、相当だらしなく飲んでたんですね。でもね、どうも居酒屋の人たちがちらちらこっちを見てる。後で気づいたんですよ、津軽では普通にUHBが見られている(笑)。

大泉:東さんはだって、僕以上に目立ちますから。リアルコロポックルみたいなね?(笑)。一回見たら、忘れられないもん。

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:いやあ、まさか津軽半島で北海道の番組が見られているとは思わなかったんです。

大泉:今思えば、僕は大学2年の時にテレビに出だしたんですけど、最初の仕事場はススキノでしたね。知り合いに「テレビに出ないか?」と言われて、アルバイト気分で「やりますよ」と。いざ現場に行ってみたらそこにあった衣装は、ラクダの股引に黒いトックリセーターで、胸にハート形の穴を開けて、乳首を出してね。ディレクターさんに言われたのは、「今日からキミは元気くんです」と。「元気くん」というキャラクターで、ススキノのニュークラブを取材するってコーナーをやってたんですよ。

:そんな下積み時代があったんですか(笑)。

大泉:お姉ちゃんに「カードを引いてください」とか言って、引いたカードには「足のにおいを嗅がせる」とか書いてある。で、僕がお姉ちゃんの足のにおいを嗅いで「うん、酸っぱい」とか言う。最低の番組でしたよ!

:じゃあ、この映画でリベンジですね(笑)。大泉さん、かっこよかったですよ。

大泉:ようやく乳首の隠れる、革ジャンを着せてもらえました(笑)。

(ダ・ヴィンチ10月号 「大泉洋はBARにいる」)