感動ものからギャグまで豊作! 猫マンガの一年を振り返る

更新日:2013/1/10

 マンガに最もよく描かれてきた動物といえば、猫! だろう。1980年代に一世を風靡した『What’s Michael ?』(小林まこと)は、可愛いだけでない、猫の気まぐれな部分やそれに翻弄される人間を描き、一つのエポックだったが、その後も、そうした要素を受け継ぐ作品が数多く登場。飼い猫との生活を描くエッセイマンガも主流となり、今や一ジャンルとして確立する。そんな猫マンガ、2012年も熱かった!

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 例えば、杉作の『猫なんかよんでもこない。』。ボクサーの夢を断たれた失意の作者が、2匹の猫との生活を通して立ち直っていく自叙伝だが、ラストは落涙なしには読めない。即日増刷されるなど反響をよんだ。

 連載ものだと、2008年から携帯サイトで配信されている『俺とねこにゃん』がすごい。作者の唐沢なをきは、妻と「どっちが飼い猫に好かれているか」を巡り夫婦喧嘩。しかし、最後は「かわい~ん!」と悶えて二人で猫を溺愛する。予測不能な猫の行動もさながら、人間の奇想天外な猫バカぶりを、唐沢独自の毒のあるタッチで浮き彫りにするのだ。

 また、最近では、横山キムチの『ねこだらけ』など、猫をキャラクターとしたゆるいギャグマンガも人気を博している。

 いずれも、爆笑とまではいかないが、クスっと笑えて癒される。それこそが猫マンガたる魅力だろう。今年もどんな猫マンガがでるのか。期待大である。

文=倉持佳代子
ダ・ヴィンチ2月号「出版ニュースクリップ」より)