“視聴熱量”で見るなら……!? ドラマ『まほろ駅前番外地』に注目

公開日:2013/1/11

 テレビ界では、視聴率は低くとも、ツイッターの“つぶやき”が多いなど、視聴者の番組への思い入れの「熱さ」や「深さ」から番組を評価しようとする動きがある。昨年10月、ビデオリサーチ社はツイッターの投稿件数をもとに、新たな視聴率を開発すると発表した。ツイッター日本法人からデータ提供を受け、「番組あたりの平均ツイート数」と「同じ枠の前4週での平均ツイート数」で指標化するという。

 最近の作品なら、視聴率は振るわなかったが口コミで盛り上がり、深夜ドラマ発で映画化される『鈴木先生』や『コドモ警察』がそうだろう。

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 そんな“視聴熱量”の観点から注目したい1月期のドラマは、『まほろ駅前番外地』だ。エッジの効いた作風でコアなファンをつかんだ深夜ドラマ、『モテキ』や『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』などと同じ枠(テレビ東京系列、金曜24時12分~)で放送される。

 監督・脚本は、『モテキ』で熱烈な支持を得たサブカル界の雄・大根仁氏。便利屋を営む多田(瑛太)と、風変わりな同級生・行天(松田龍平)が、「プロレスラーとなって対戦する」「キャバ嬢をストーカーから守る」など、便利屋に舞い込む怪しい依頼に関わっていく。1話完結スタイルで、心温まる話だったりするのだが、下手に感動的に仕立てていないのがいい。かっこいいようでどこかまぬけな、瑛太×龍平コンビのゆる~い雰囲気は中毒性アリ。見たあとに誰かと話したくなるこの感じ、“視聴熱量”は高くなりそう。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
ダ・ヴィンチ2月号「出版ニュースクリップ」より)