パンダが王様!? 上野動物園のギャグマンガが話題

更新日:2013/1/15

 日本初の動物園として1882年から人々に親しまれている上野動物園。来日40周年を迎えた大人気のジャイアントパンダや百獣の王・ライオン、ゾウやペンギンにハシビロコウなど、たくさんの動物たちがみんなを出迎えてくれる。そんな歴史ある動物園が、もしも1つの王国だったとしたら、一体どんな国になるだろうか? そして、その国を治める国王は? そんな空想から、実際に上野動物園をモデルにして、ファンタジー王国化ギャグマンガにしてしまった『ケモノキングダムZOO』(もち/講談社)が、今話題になっているのだ。

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 アッパーヤードと呼ばれる上野動物園をモチーフにしたこの国には、個性的な動物たちがたくさん登場する。

 まず、この国の王として君臨していた笹王パンダ。その人気はやはりマンガの中でも健在で、多くの動物から慕われている。それに、笹王パンダの子供である赤ちゃんパンダの鳴き声は「ばぶー」ではなく「バンブー」。さすがパンダ。しかも、その一声で動物たちのケンカを鎮めてしまうのだから、次期王としての資質もバッチリ!

 みんなが恐れる百獣の王のはずのライオンは、ここではなぜか余所者扱いのいじられキャラ。最初は、いつになっても周りに受け入れられないことに腹を立て、アッパーヤードを乗っ取ろうとしたが、徐々にみんなと仲良くなっていくのだ。彼は、はちゃめちゃな動物たちが暮らすこの国で唯一のツッコミキャラ。おまけにマッサージが得意で、そのテクニックでみんなをメロメロにしたり、嫁は多いほうが楽しいからと簡単に「俺の女になるか?」などと言ってしまうことから、みんなにエロ王とも呼ばれている。こんなライオンが国王になってしまったら、この国はハーレムになってしまうのか?

 そして、メインキャラの1人であるオオワシは、中性的な見た目で一見しっかりしているように見えるのに、大事なところでいつも噛んでしまうドジっ子だ。おまけにド天然で、素で虎とライオンを間違えたり、ライオンを引きつけるために使うはずだったマタタビを自分でかぶってしまう。彼は怪我をしていて空を飛ぶことができないのだが、実際に上野動物園にいるオオワシも羽に銃弾が残っていて飛べないものがいるそう。策略家の美少女・シロフクロウが大好きで、彼女の「お仕置き」や命令に反応してしまうヘタレキャラでもある。絶対に彼女には尻に敷かれるタイプだ。

 一方のシロフクロウはドSな毒舌キャラで、部屋の中には数々の拷問道具を取り揃えている。オオワシの泣き顔が大好きで、隙あらば彼を痛めつけて調教しようとするのだが、彼のことは嫌いじゃない様子。どこかつかみどころのない彼女は、まさに魔性の女だろう。
また、王の親衛隊として立ち回るカンガルーは、常にグラサンをかけており、パッと見は強面に見える。でも、子供を育てるために亡くなった奥さんの袋を自分に縫いつけちゃったり、熱くなった動物たちを袋に入れて揺らしてあやしてなだめてあげたりする仲間思いの優しい奴なのだ。さらに、その袋から銃や武器を取り出し、動物同士の争いを食い止めたりもする。ただ、酔っ払うと性格が変わって何でも自分の袋の中に入れてしまうのがたまにきず。
他にも、引っ込み思案で怖がりで、自ら作った台本がなければ話せないコンドルやちょっぴり卑屈な恋する乙女のバーバリーシープ。ツンデレコウモリになんでも背中に乗せたがるシマウマなど、ユニークな動物たちが盛りだくさん。こんな愉快な王国なら、1度遊びに行ってみたいかも。