有吉、意外と内面は弱い!? 人気Pが明かす

芸能

更新日:2017/1/11

 この正月に放送されたNHK『新春TV放談2013』の「2012年人気バラエティ番組ランキング」で、見事第1位に輝いた『アメトーーク!』。この『アメトーーク!』の総合演出を担当し、『ロンドンハーツ』も手がけるのは、テレビ朝日の加地倫三プロデューサーだ。近年、テレビディレクターとして注目を集める彼だが、今度はその仕事術を披露した著書『たくらむ技術』(新潮社)が話題を呼んでいる。というのも、ヒット番組の秘密だけでなく、さまざまな仕事に活かせるヒントが盛りだくさんなのだ。そんな本書からすぐに実践できる“仕事のルール”を紹介しよう。

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 まず、説得力があるのが、「かわいがられた方が絶対にトク」という項目。加地は、芸人は面白さや技術だけではなく、売れるにつれて「かわいさも身に付けていく」と分析。その最たる例が千原ジュニアだという。

 ジュニアといえば、若手時代、とがった性格のため「ジャックナイフ」と呼ばれ、恐れられていたことは有名な話。実際、ジュニアが東京に進出して間もないころに会った加地も、「近寄りがたい存在感」を感じたそう。が、最近になって2人きりで食事に行き、そこでジュニアの「兄弟の『下の子』特有の無邪気さというか、素直さ」が醸し出す“かわいさ”をはじめて知ったという。この“かわいさ”が今はあるからこそ、後輩からもイジりたいと思われるようになったのだろう…と加地は解説する。

 さらに加地は、最近“かわいさ”を身に付けたと思う芸人として、有吉弘行の名を挙げている。残念ながらその理由は「細かく言うと『企業秘密』をバラすみたいなので書きませんが」と綴っているのだが、『アメトーーク!』における「人見知り芸人」「女の子苦手芸人」といったテーマの際に有吉が見せる「内面の弱さ」を、有吉本人が“かわいさ”に変え、「それが毒舌とまざって、絶妙のバランスになっている」というのだ。なるほど、そう言われると、ときおり照れ笑いを浮かべる有吉の姿は、毒を吐くときのギャップと相まって、かわいく感じられるような気もしなくもない。もし、これが計算ならば相当なコミュニケーションスキルの持ち主だといえるが、果たしてその真相はどうなのだろうか。

 また、「企画は自分の中にしかない」という項目では、「広島カープ芸人」「運動神経悪い芸人」「中学の時イケてない芸人」といった、『アメトーーク!』ならではの“非・トレンド”なテーマ設定の裏側を紹介。企画の立て方を指南した本では定番の「アンテナを張っての情報収集」も、加地は「全くしていない」とのこと。彼にとって大事なのは、何気ない雑談のようなもの。その中で心が動いたものがあれば、「なぜこれが面白いのだろう?」と分析することが重要なようだ。ちなみに、加地が影響を受けたのは『めちゃ×2モテたいッ!』。この番組の演出家である片岡飛鳥の手法をかなり分析したらしく、ある人から「君の編集方法は『めちゃイケ』の片岡飛鳥さんに似ている」と指摘されたときは、相当に悩んだそう。結局、『めちゃイケ』を観るのをやめ、5年ほど経ってようやく素直に観られるようになったのだという。

 このほかにも、「勝ち続けるために負けておく」、「マジメと迷走は紙一重」など、加地流“仕事の流儀”が満載の本書。『アメトーーク!』、『ロンドンハーツ』の作られ方を知りたい人や、一風変わったビジネス書を探している人は、ぜひ一読してみてはいかがだろうか。

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