ロマンチック! 冬の星空を楽しむためのオススメ本とは?

公開日:2013/1/20

 秋から冬にかけて賑わいをみせている流星群。ニュースなどで知って、思わず夜空を見上げた人も多いのでは。いつも頭上に広がる星空であっても、ふとした機会に眺めてみると、どこかロマンチックな気持ちになるから不思議だ。

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 しかし、そんなときに頭に浮かぶのが、どれが何の星で、どれが何の星座なのか、という疑問。

 おとめ座やてんびん座など、占いなどでも使われているような星座であっても、名前は知っているが、どこにあるのか知らないし、見つけ方や目印もわからない。みんなで夜空を見上げているとき、「少しでも知識があったらいいのに……」と悔しい思いをした経験がある人も多いのではないだろうか。

 そこで紹介したいのが、星や星座が持つエピソードや歴史などにフォーカスした天文本だ。

 まずは、星座の成り立ちの歴史や、一般的に見ることのできる星座について、イラストや写真を多く交えて紹介している『ときめく星空図鑑』(永田美絵:著、廣瀬 匠:著/山と溪谷社)。星座の形や場所だけでなく、その背景にあるストーリーや科学的根拠に基づいた雑学を知ることができる。

 たとえば、七夕で知られる織姫星と彦星の話。織姫は1年に1度、7月7日に、月の船に乗り、彦星に会いにいったと言い伝えられている。しかし、天文学的には、その距離はなんと14光年。そう、光の速度でも14年かかる距離に2人はいるのだ。

 『星座がもっと見たくなる星座の物語と見つけ方』(駒井仁南子:著/誠文堂新光社)は、四季ごとに観測できる天体や、自分の星座の見つけ方のほか、星座の成り立ちにかかわるギリシア神話について、エピソードを交えて解説。「カシオペヤやアンドロメダは、古代エジプト人だった」など、神話にまつわる豆知識についても詳しくなれる。

 一方、星と自分とのつながりを意識させる興味深い1冊として取り上げたいのが、『星をさがす』(石井ゆかり:著/WAVE出版)。著者は12星座占いで活躍する人物。星占いという観点から夜空の星を見るのが主旨となっている。自分の誕生月で、星占いに使う星座が決まるのは、誰もが知ることだと思うが、ひときわ目を引いたのが「誕生日」にまつわる話。

 地球の自転とともに毎日動く天体は、1年で1周し、同じところに戻ってくる。つまり、誕生日の星空は、生まれたときのものと一緒ということ。1年に1度、自分だけの星空が頭上に広がるのだ。天文学では当然のことかもしれないが、意外と知られていない事実のひとつ。

 小難しい図鑑は読むのが少しおっくうだし、早見表だと味気ない。ここに紹介した3冊は、どれも、星の見方はもちろん、知識や興味の幅を広げてくれるもの。またたく星の下、素敵な物語と一緒に夜空をナビゲートできたならば、これほどロマンチックなことはないだろう。