ダイオウイカだけじゃない! 世界にはこんなに巨大生物がいる!

更新日:2013/1/24

 1月13日に放送され、大きな話題となったNHKスペシャル『世界初撮影! 深海の超巨大イカ』。謎多きダイオウイカの深海での撮影に世界で初めて成功したというだけあり、番組は衝撃映像の連続で、Twitterでも大盛り上がり。視聴率も16.8パーセントと、ドキュメンタリー・教養番組としては驚異的な数字をたたき出した。

 番組を観ていない人に説明すると、ダイオウイカは地球上最大の無脊椎動物。触腕(2本の長い腕)まで入れると、大きなものでは全長18mにもなるという。撮影できたのは3mほどの大きさではあったものの、それでも完全な状態であれば、全長7~8mと推測される超巨大なものだったという。

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 だが、ダイオウイカで驚くようではまだまだ甘い。世界にはよりビッグな生物たちがたくさんいるというのだ。そんなことを教えてくれるのが『本当は怖い巨大生物ファイル』(クリエイティブ・スイート/宝島社)だ。

 たとえば、先に紹介した地球上最大の無脊椎動物ダイオウイカ。これを食料としてしまう生物がいるという。その名は「マッコウクジラ」。四角い頭と最大で20mにもなる巨体をもち、世界最大の肉食動物として知られているという。番組内では、ダイオウイカ対マッコウクジラのガチバトルを試みつつもあえなく失敗していたが、それほどにマッコウクジラは、イカが大好物。ダイオウイカを含め、1年間に食べる量は1億トンを超えるとのこと。これは人が1年間でおこなう商業漁業の漁獲高に匹敵するのだそうだ。

 また、大きさでいえば「シロナガスクジラ」に敵うものはいないだろう。記録では体長34mのものまで確認されているという。平均的なものでも25mほどで、新幹線一両分の長さをもっているらしいのだから、まさにキング・オブ・ビッグ。現存する最大の動物種の名はだてじゃない。ちなみに、この巨体をもちながら泳ぐ速さは時速30km以上というとんでもないもの。これで直径10mもある口を広げて捕食するというのだから、追いかけられたほうはたまったもんじゃないだろう。

 海といえばサメ、サメといえば海のハンターで、ときには人を襲う危険なヤツ……という認識がある人も多いだろうが、サメのなかでも温厚なものもいる。それが「ジンベエザメ」。プランクトンや魚の卵を主な食料とし性格もいたって温厚でおとなしいらしい。でもそのデカさが尋常じゃない。大きいもので20m以上、7階建てのビル並みの大きさなのだ。こんなデカさで海中を悠々と泳いでいるのだから、出くわしたらビックリすること確実、知識がなければパニックになることは避けて通れないだろう。

 世の中のサメがジンベイザメのようなヤツばかりならありがたいのだが、人を襲うものももちろんいる。それは『ジョーズ』のモデルにもなった「ホホジロザメ」。体長は大きいもので6mと、先の生物には劣るものの、人を丸のみできるほど巨大。それでいて泳ぐスピードは時速35kmも出せるのだとか。まさに海のハンターだ。一度狙われたら映画でもない限り逃げることはできないだろう。本には1990年から2008年までに116件もの被害報告があり、そのうち25件で人を死なせていると書かれている。これはサメ全種のなかで最多の数なのだという。

 陸上にもデカくて危険なヤツはいる。「コモドドラゴン」がそれだ。インドネシアのコモド島近辺のみに棲息する生物で、大きいものでは全長3m以上にもなり、世界最大級のトカゲとして有名とのこと。アニメにもなったリアルボンバーマンマンガ『BTOOOM!』(井上淳哉/新潮社)にも登場するので、ご存知のかたも多いのではないだろうか。この生物、鳥からイノシシ、スイギュウまでなんでも食べる。そしてときには人までもがその対象となり、複数の人が被害に遭い死亡したりしているという。しかも、憎たらしいことに、コモドドラゴンは血の凝固を妨げる特殊な毒をもっていて、1度噛みつかれたら出血が止まらないらしいのだ。コモド島近辺に観光で行かれる方は細心の注意をはらっていただきたい。

 この本ではほかにも、「アミメニシキヘビ」や「アメリカバイソン」「ウバザメ」「マヨイアイオイクラゲ」などが紹介されている。そう、まだまだ魅力的な巨大生物は山ほどいるのだ。ダイオウイカに続いて、次は一体どんな巨大生物のスクープ映像が飛び出すのか。……今後も楽しみにしたいものである。