俳優・松坂桃李 「小説を読んで役者の勉強中」

芸能

更新日:2017/10/17

 二十歳でファッション誌のモデルオーディションをグランプリ通過し、翌年『侍戦隊シンケンジャー』の“シンケンレッド”役で俳優デビュー。
 
9月23日(金・祝)からは出演映画『僕たちは世界を変えることができない。But,wewanna build a school in Cambodia.』が全国ロードショーされる現在22歳の俳優・松坂桃李は、活字ブームの真っ最中だった。

 「台本を読んで、セリフから自分なりに想像を膨らませて、芝居をする。役者をやっていくにあたって、この“想像を膨らます”という部分を鍛えたいなと思ったんです。だとしたら活字かな、と」

 漫画は子どもの頃から大好きで読み続けてきたが、小説はまだまだ新参者。そこで、「何か面白い小説はないですか?」とマネージャーに相談したそうだ。何冊か紹介されたうちの一冊が、直木賞作家・道尾秀介の長編『ラットマン』(光文社文庫)だった。
 

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 「もしかしたら主人公が犯人じゃないか……という、サスペンスの感覚にハマりました。前に読んだ東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』も、同じく、意外と自分は、サスペンスが好きなのかも。普段の生活では味わえないようなあやしい、危ない感情を、小説に求めているのかもしれないです」

 「犯人」の感情を活字で追体験するうちに、ふと気付いたことがあるそうだ。

 「例えば友達とバカ話をしていても、頭の中では全然違うことを考えていたりもする。そういう表と裏の感覚って、現実にもよくあるよなあと。それから、言葉をしゃべる時には、動作とか、いろんな感情とかがくっついている。活字って、そういう情報量をめいっぱい書いているジャンルなんですよね。役者にとっては、すごく勉強になるものだと思うんです」
 
(ダ・ヴィンチ10月号「あの人と本の話」より)