草食系男子の上をいく “光合成男子”とは?

マンガ

更新日:2014/4/14

 恋愛に積極的な“肉食系”やその逆を表す“草食系”という言葉がすっかり定着している。しかし、最近ではどうやら草食系のさらに上をいく“光合成男子”というタイプが登場しているようなのだ。1月19日に発売された『チューするだけの簡単なお仕事です【支配者】』(新木伸:著、しゅがすく:画/一迅社)には、そんな“光合成男子”の主人公・五領大紀が登場する。これは、大紀のもとに彼のことを異能の王と呼ぶしもべたちが集まり、彼の力を使うためにチューでエネルギーをチャージするという話なのだが、そこから“光合成男子”の生態を探ってみよう。

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 一般的に、恋愛に積極的になれない男子のことを草食系男子と呼ぶが、自分からアプローチできないだけで恋愛にも女の子にも興味はあるケースも少なくない。しかし、大紀の場合は“光合成男子”というくらいだから積極的になれないというレベルではない。そもそも、高校生にもなって女の子に恋愛感情を抱いたり、欲情したことすらなかったのだ。だから、幼なじみでクラスの男子人気ナンバーワンである東海林ゆかりのことも家族みたいなものだと思っている。彼女との関係を周りの男子から羨ましがられても、そういう目で見たり意識したことがないからピンと来ない。ゆかりだけじゃなく、すべての女子に対してそうなのだ。

 また、彼のもとに押しかけてきた自称しもべの猫耳少女・Rが布団の端に頭をのせて寝てしまったときは、彼女を起こさないようにそっと布団の中に入れてあげてそのまま眠る。女の子と一緒の布団で寝ているのにやましいことを考えて悶々とすることもなく、布団が半分しか使えなくて寒くても気にしない。これほどまでに女子を恋愛対象として意識することなく生活している大紀は、まさしく“光合成男子”と呼ぶのにふさわしい男の子なのだ。

 さらに、彼は下ネタや直接的な表現を聞くと女の子並みというか、それ以上に動揺する。突然現れた初対面のRが、ショッピングモールの通路でいきなりキスしてきた時も「女の子からチューするとかそういうのって――」とあわてふためきながら注意しようとするし、「勃起」や「抜く」という言葉にさえ照れて困ってしまう。Rが大紀の欲望を処理しようとするときも、心の通っていない行為は嫌だからといううぶな理由で必死に抵抗するのだ。

 そして、太陽を浴びて育つ“光合成男子”なのだから、超受け身で向こうから押されると断れない。エネルギーチャージのためのチューだって最初は抵抗しようとしたけど、今ではすぐに済ませてしまうほうが得策だからと大人しくチューを受け入れる。買い物帰りに手をつながれても、背中を流すとお風呂に乱入されても結局断りきれず、なされるがまま。

 おまけに「起きて半畳、寝て一畳」をモットーにしている大紀は争い事も嫌いな平和主義者なので、ゆかりとRが競い合って大紀の食事を作ろうとするときも、自分が口出しすれば口論になると思い口を閉ざす。ほぼ住み着いてしまっているゆかりについても、何か言うべきかと思うがうまい言葉が見つからないからとなあなあにしてしまうのだ。

 そんな草食系男子の上をいく“光合成男子”。こうして見てみると自分にも当てはまる。今まで草食系男子と言われることになんとなく違和感を覚えていたが、これならしっくりくるという人もいるのでは? これからは、恋愛に消極的どころかひとりでも生きていけそうな“光合成男子”の時代が来てしまうのかも!?