乙女系女子が「鬼は内」と叫びたくなるイケメン鬼とは?

マンガ

公開日:2013/2/2

 2月3日は節分の日。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆を撒くのが習わしだが、鬼の中にも優しい鬼や魅力的な鬼だってたくさんいる。そこで、今回は乙女向けのマンガ、ゲームなどの中から、「こんな鬼だったらむしろ大歓迎!」というものを紹介してみよう。

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 まずは、『緋色の欠片』(水澤なな:著、カズキヨネ:イラスト/エンターブレイン)に登場する鬼崎拓磨。彼の先祖である鬼は、命の恩人である玉依姫を守るために一生仕えると誓った。だから、その子孫である拓磨も、鬼に体を蝕まれそうになりながら体を張って玉依姫の生まれ変わりである珠紀を守り続けている。額にはえた2本の角。金色の目。長い赤毛。異様に大きく鋭い爪をもった右の鬼の手。そんな人と鬼が混ざり合った不完全な姿が、妖しい色気を放つ。しかも、彼女の夢にまで出て来ちゃうくらいだからそうとう一途。こんな鬼に守られてみるのも悪くない。

 そして、今期から始まったアニメも大人気の『八犬伝』シリーズ(あべ美幸/角川書店)。憲兵の隊長である犬飼現八と乳兄弟である犬田小分吾は、どちらも1度死んでそれぞれ雷鬼、風鬼として蘇った。こちらは鬼になると額に1本の角が生え、背中には翼のようなものが出てきてほぼ原型がなくなってしまう。見た目こそ怖いが、喰うのは人ではなく妖だけだし、雨の降らない土地にこっそり雨を降らせたり、大切な人を守るために鬼になったりする。鬼の姿でも亡くなった恋人のために涙を流せる彼らなら、きっと優しい鬼に違いない。

 また『桃組プラス戦記』(左近堂絵里/角川書店)には、いろんな童話のもとになった鬼の生まれ変わりたちがたくさん登場する。泣いた赤鬼のもとになった暮内 紅は、物心ついたときから人が大好きで、愛されたくて学校の芸能科に所属し、モデルとして大活躍している。鬼のパンツの歌のもとになった緑鬼・柳 裏葉は、最年少でボーイソプラノのソリストになったほどの実力の持ち主。こぶとりじいさんに出てくる鬼の生まれ変わりは美少女アニメを見て号泣したり、アニメが好きすぎて芸術学科の漫画専攻に通うオタクな紫鬼・樗 桔梗。泣き虫で美少年の赤鬼、歌の上手い緑鬼、オタクな紫鬼。こんな鬼たちなら親近感もわくし、むしろ喜んで友だちになりたい。

 さらに、1人で何種類もの人格を楽しめるのが、『ZONE-00』(九条キヨ/ビブロス)に出てくる九浄三郎。普段の彼は、くりっとした大きな目に前髪をゴムで結んだかわいらしい姿の中学生。しかし、彼に宿る伝説の悪鬼・浄阿弥が現れると赤い長髪に銀の瞳、下顎の牙や2本の角をもった美青年に変わる。基本的には常に半裸の着物姿で、引き締まった体や背中に浮かび上がる真っ赤な牡丹の花がよりセクシーさを際立たせる。戦闘モードの時は角が伸び、殿様語をしゃべるが、リラックスモードの時は標準語で角も縮むし、酒を飲めば眠ってしまう。それに加えて、もう1人太郎という鬼も三郎の体を乗っ取ることができる。太郎になると見た目はほぼ三郎のまま、浄阿弥とは違う悪魔のような角がはえるのだ。彼さえいれば、1人で4人分楽しめてすごくお得!

 でも、やはり1番来て欲しいのは『薄桜鬼~新選組奇譚~』(アイディアファクトリー)の鬼たちかも。残忍だけど曲がったことや卑怯なことは嫌いで、正々堂々と戦う風間千景。そもそも戦を好まず、武器も持たない天霧九寿や友人のお墓参りに行く不知火匡のように、優しい心を持つ彼ら。鬼になると白髪金目で額に小さな角がはえるが、見た目だけではほとんど鬼を感じさせない。さらに、変若水という薬を飲めば誰だって羅刹という人工の鬼になれちゃう。白髪赤目の羅刹になってしまった土方歳三や、沖田総司といった新選組のメンバーも、普段とは違う色っぽさで魅力的に映るはず。

 こんなふうに、女性を魅了するいろんな鬼が登場する乙女向け作品たち。本当に彼らがやってきたら、思わず「鬼も内!」と叫んでしまうかも?