モテと非モテ、どこが違う? 史上最もシンプルな答えが判明

恋愛・結婚

更新日:2013/2/28

 古今東西、「モテ」というのは人類にとって大きな関心事のひとつだ。例えば古代ローマ時代には詩人のオウィディウスが『恋愛指南』(岩波文庫)という本を書き、アメリカにはデイビッド・コープランド&ロン・ルイスによる『モテる技術』(デイビッド・コープランド&ロン・ルイス:著、大沢章子:翻訳/ソフトバンククリエイティブ)という大ベストセラーがある。モテたいけどモテない…。そんな悩みを抱える人が後を絶たず、だから人間はその処方箋を求めて恋愛本を読み続けてきたのだろう。

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 なぜ、モテないのか?

 人類にとって永遠のテーマともいうべきこの問題について、もしかしたら史上最もシンプルにその理由を言い表しているかもしれない恋愛本がある。昨年末に復刊された二村ヒトシ『すべてはモテるためである』(二村ヒトシ:著、青木光恵:イラスト/イースト・プレス)だ。

「なぜモテないかというと、それは、あなたがキモチワルいからでしょう」

 本書は、こんな衝撃的な一文で始まる。ほとんどの男は、女性が“キモチワルい”と感じてしまう部分を持っており、それがモテない理由になっているというのが本書の主張だ。では、どんな男がそれに当てはまるのか。

 いわく、「エラソー」だったり「下品」だったり「自意識過剰」だったり「考えすぎて臆病」だったり…。あるいは「自分に自信がない」「自分の居場所がない」「自分の頭で考えない」などなど…。

 これらが“キモチワルさ”の要因だとしたら、誰しもひとつは当てはまってしまうのではないだろうか。多くの男性にとって胸の痛む読書だ。しかし、本書が社会学者の上野千鶴子やAV女優の森下くるみを始め、さまざまな女性たちから大絶賛を集めているのにはワケがある。それが、他の恋愛本とは一線を画す“モテへのアプローチ”の違いだ。

 恋愛本の多くは、“恋愛マニュアル本”という呼ばれ方からもわかるように、「こうすればモテる」というアプローチで書かれている。それに対して本書は、「女性はこういう男をキモチワルいと感じている。だから、そういう男にならないように務めることがモテへの道だ」というアプローチを取る。

 自分を知り、相手との関係性についてちゃんと考え、厳しい現実にも目を背けず、しっかりコミュニケーションを取るためにひたすら頭を働かせ続けろと説く本書には、即効性のある“モテテク”などは一切書いていない。「モテは一日にしてならず。」根気を要する道のりではあるが、この真摯な言葉こそが、女性識者から信頼を集めている理由だろう。

 過激な一文で始まる本ではあるが、その実極めてまっとうな恋愛本といえる。モテたい男性にはもちろんのこと、老若男女問わずぜひオススメしたい1冊だ。

文=清田代表/桃山商事