30代女子の支持絶大! 胸キュンとエロが織りなすマンガ『娚の一生』『姉の結婚』

マンガ

公開日:2013/2/7

 30代半ばのOLが初老男性に迫られる『娚の一生』、アラフォーの図書館司書がイケメン精神科医と不倫愛を繰り広げる『姉の結婚』。幸福な結婚から大人のエロまで、30代女子の心を最高にときめかせる、“大人の少女マンガ”の名手・西炯子が、『ダ・ヴィンチ』3月号の「30代女子のマンガ100」特集にて自身の作品について語っている。

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「2作とも、ずばりテーマは“結婚”ですね」 
西炯子は、きっぱりと言い切る。『娚の一生』は30代半ばの堂薗つぐみ、『姉の結婚』は40歳になる岩谷ヨリが主人公。自立して1人で生きているが、突然の恋が訪れる。つぐみは初老の海江田に、ヨリはイケメン精神科医・真木に熱烈に迫られる。

 つぐみもヨリも芯の強い女性だが、今にも折れそうな脆さも併せ持つ。恋に人生に揺れる2人の心理は、女性読者の熱い共感と支持を集めた。2人は自分に重なるところがある、と西は言う。
「自己評価が低くて、自分にはちゃんとした恋愛をする価値がないと思っているんです。代わりにエネルギーが仕事に向かう。一般にキャリアを積んでいる女性が思い当たる要素を、うっと思うくらいリアルに入れました。

 とくに、ヨリは私の現実に近いですね。心の中の感情、焦燥感や不安を、1人で処理するクセがついている。表面に出す気がない。例えば柱に足の小指をぶつけても、痛いんだけどイタイイタイ!って言わない(笑)。自分の周りの壁がどんどん厚くなって、人とのコミュニケーションが発生しにくい状態になっているんです」

 そんな2人が歩む先にあるのが結婚だ。不倫中のヨリは迷いの途上にあるが、つぐみは物語の最後で幸せな結婚生活を送っている。結婚、いい! ぽわわ~んと憧れてしまう美しい結末だ。

「少女マンガの輝きの核は、好きな人に想い想われて一緒にいる約束をする、という到達点にあります。若者なら“付き合う”ですが、大人は結婚。人生を共に生きようという約束をする。勢いで結婚するんじゃない。いろいろな価値観を照らし合わせた上で、たくさんのハードルも乗り越えながら、それでもやっぱり“結婚だよね”と思い至る。そういう結婚が、大人の最上級のハッピーエンドだと思うんです」

取材・文=松井美緒
(『ダ・ヴィンチ』3月号「30代女子のためのマンガ100」より)