潜入ルポした負け美女が断言! 「街コンは恋愛のリハビリにもってこい」

恋愛・結婚

公開日:2013/2/15

 2012年度の流行語大賞にもノミネートされ、すっかりその名が知られるようになった「街コン」。とはいえ、その実体はよく知らない、なんとなく躊躇してしまう、という人も多いのでは。しかし! 恋はすっかりご無沙汰という人こそ、「街コン」に行くべきかもしれない。

advertisement

 『負け美女』(マガジンハウス)の著者で知られる犬山紙子の最新刊は、

『街コンのホントのところ』(新人物往来社)。恋愛評論家としての「男観察」を大義名分に、あわよくば出会いもあるかも、と街コンに乗り込んだ体験記だ。渋谷、中野、赤羽、品川……などさまざまなエリアの街コンに潜入捜査し、その内容をイラストと文章で余すことなく伝えている。

 そもそも街コンとは、「街にある複数の飲食店を貸し切りにし、制限時間内で参加店を自由に回って食べ歩き飲み歩きができる」のが基本スタイル。女性のほうが低価格で設定されていることが多く、著者も「手頃に食べ歩きができて、さらに出会いがあったらもうけもの」くらいのスタンスだ。

 
 著者はこう断言する。「多くの異性と交流をはかれるから、街コンは恋愛のリハビリにもってこい」。

 人見知りをする37歳、スーツの寿司職人、松田翔太似のイケメンなど、次々あらわれる男達を前に、年のサバを読んで自分のクビをしめたり、気合いをいれたファッションで友人とかぶったり、酒を飲み過ぎて病院のお世話になったりと、まさに体をはって街コンを渡り歩く著者。恋から離れた生活をしていたが、街コンで大量の異性と話すことにより、目の前の異性を「この人が恋人になったらどうだろう」と見るようになっていき、「好きな人ができない病」から1歩踏み出すいい機会になったという。

 冷静な分析で参加者の言動や行動を笑いつつ、自分の反省点も隠さず書いており、独特の指南書にもなっているのが面白い。大規模コンパと身構える必要はなく、普通の男女がお店で出会って食事をしながら話す、というスタイルの気軽さが街コンの人気たるゆえんのようだ。

 『街コンを仕掛けてみたらビジネスチャンスが見えてきた』(ワニブックス)著者の街コン仕掛人・吉弘和正によると、街コンというのは吉弘氏が楽しいパーティを日本にも根付かせたいという思いから始まっている。さらに「街おこし」や飲食店のアイドルタイムを活用するという「経済活性」など、ビジネスモデルにも注目が集まっており、人気女性誌や一泊旅行までつけた「空コン」など、企業とのコラボも成功実績がある。

 2012年が「街コン元年」といわれたほど、毎週末どこかで開催されている街コン。知名度が高まり参加者は増えていく一方で、最近では「飽和状態では?」という指摘も出てきているほど。参加しようか迷っていたり不安だったりする人は「興味があるイベントを楽しんで、その先に出会いがあるかも」くらいのスタンスからはじめればいいだろう。まずはこの2冊を読んで実態をイメージすることからはじめてみては?

文=菅原信子