焼きそばU.F.Oって何の略? 意外と知らない名前辞典

社会

更新日:2013/2/20

 いきなりですが、クイズです。インスタント焼きそば界のアイドル・日清焼きそばU.F.Oの「U.F.O」とは、一体何の略でしょう? 「かたちが円盤形だからでは?」と考えたアナタ、残念! 答えは「うまい(うまく)、太い(太く)、大きい(大きく)」。拍子抜けするほど簡潔にアピールポイントをまとめたものだったのです。

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 このように、身近にあるものなのに実はよく知らない名前を集めたのが、『誰かに教えたくなるアレの名前』(別冊宝島編集部/宝島社)という本。「みかんについている白い筋」は「アルベド」、東京タワーの正式名称は「日本電波塔」など、発見が満載の1冊だ。

 たとえば、抽選会で使われる多面体の箱。ぐるぐるとレバーを回すと玉が落ちてくる仕組みのアレ、多くの人は「ガラガラ」と呼んでいるのではないだろうか。これのほんとうの名前は「新井式回転抽選器」。帽子屋を営んでいた新井卓也さんが考案したことから名付けられたらしく、あの形も新井さんが「多角形の帽子の箱を使用したから」なのだとか。

 よく見るものといえば、「幽霊が額につけている三角形のアレ」も名前はあまり知られていないはず。あの名前は「額烏帽子(ひたいえぼし)」。平安時代に悪霊払いの儀式でつけていたもので、当時は黒い絹の三角巾だったそうだが、江戸時代になって「亡くなった人が地獄の悪霊から逃れることができるように」と、白い紙製のものにチェンジ。葬式の参列者までもがあの白い三角巾をつけて参列していたという説もあるらしい。いま想像すると、なんともギョッとなる光景だ。

 また、「トイレの便器に常にたまっているあの水」にも名前がある。あれは「封水」と呼ばれるもので、「悪臭が漂うのを防ぐ」のと「虫が排水元に入ってこないようにする役割」があるという。名前の通り、あの水にも大きな意味があったのだ。

 こうしたモノや状態の名前だけでなく、よくある現象の名前も本書では紹介。とくに驚きなのが、「本屋さんに行くとトイレに行きたくなる現象」の名前だ。なんと、あの現象は「青木まりこ現象」というもの。1985年に『本の雑誌』の読者投稿欄に「本屋に行くと便意を催す」という投稿があり、その投稿者の名前が「青木まりこ」だった。この意見には多くの読者が賛同したようで、「雑誌で特集を組まれるほどの話題となり、この言葉が生まれた」らしい。まさか投稿者も、ここまで波及するとは思いもしなかったのではないだろうか。

 このほかにも、「ねるねるねるね」のように自分で手を加えて食べるお菓子の名前は「サイバー菓子」、「ナポレオンがかぶっている帽子」の名前は「ビコーン」など、計146もの名前が早わかり。ひとつひとつに解説がついているので、ものの歴史を知ることもできる。

 最後に。普段「プルタブ」と呼ばれている缶のフタ、ほんとうは「ステイ・オン・タブ・エンド」というらしい。「君のステイ・オン・タブ・エンド、開けておこうか?」なんて言えたら……かっこいい!?