こんな未亡人と付き合いたい! 話題のロリ未亡人の実力は?

マンガ

更新日:2013/3/28

 愛する夫に先立たれ、その想いを引きずってか再婚していない女性を俗に未亡人と呼ぶ。

 非常に艶っぽい響きをもつ言葉である。そんな怪しい魅力にひきつけられる人は多く、昔から存在する古参の萌え属性のひとつだ。なかでも高い人気を誇るのが、『めぞん一刻』(高橋留美子/小学館)の「管理人さん」こと音無響子さんだろう。世に未亡人属性を広めた立役者であり、今や未亡人キャラの登竜門として君臨しているといっても過言ではない。

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 そんな響子さんファンをはじめ、未亡人属性をもつ諸兄にはたまらないマンガが、このたび出版された、その名も『ほめよめ』(黒渕かしこ/芳文社)。おせんべい屋さんにお嫁に来た、かのんさんは夫に先立たれた未亡人。そんな、かのんさんと夫の家族をはじめとした魅力的なキャラクターが織り成す、ゆるふわ系日常4コマだ。

 未亡人属性をもつ大型新人の登場である。そこで、今回は響子さんとかのんさんの双方を比較し、かのんさんがどれほどの期待値を誇る新人か検証していきたい。

 まずは、未亡人といえばこれ、亡き夫への愛情度を比べてみよう。響子さんは、結婚してからわずか半年足らずで、両親の猛反対を押し切ってまで一緒になった最愛の夫と死別している。その想いの強さゆえ、響子さんは心に深い傷を負い、五代への想いに気づいた際も、夫への想いが「嘘になってしまいそうで…」と自問自答し戸惑っていた。五代の最大の恋敵は、響子さんの心に残る、夫への想いといっても過言ではないはずだ。これらから見られるように、響子さんの亡き夫への愛情度は非常に高い。それでは、かのんさんはどうだろうか。こちらはなんと、結婚してからほんの1ヵ月で夫を亡くしている。しかしながら、その愛情は確かだったようで、時おり亡き夫の面影を思い出しては、微笑む。その笑顔のなんと美しいことか。だが、ときには遺影と自らの薬指にある指輪を見ては、悲しげに微笑むといった場面もあり、その想いは強く心に残っているようである。この勝負、ドローといったところだろう。

 次にその見た目を比べてみよう。かのんさんは、じつはゴスロリを好む女性で、その格好はフリフリのフワフワ。頭と首にリボンを欠かさずに巻き、亜麻色の長い髪をたなびかせている。だれもが心を許してしまいそうになるロリっぽいフェイスをもちながらも、結構な巨乳という、もう最強のスペックの持ち主だ。対する響子さんはといえば、こちらもグラマーなワガママボディに、五代が一目で虜になるほどの美貌を誇る。長い黒髪を束ね、エプロン+竹ぼうきを装備した姿は『めぞん一刻』という作品を象徴しているといってもいいほど。ここは、未亡人に欠かすことのできない艶っぽさを優先させるとして、響子さんに軍配があがるだろう。

 最後にその性格を比較してみよう。普段の響子さんは穏やかで優しく、いつも微笑みを絶やさない人という印象がある。しかしその反面、非常にヤキモチ焼き(五代に対するヤキモチが最高潮に達したのか、竹ぼうきをへし折ったことさえある)で世間知らずなところもあり、思い込みも激しく、鈍感である。五代はこの性格にもさんざん苦労させられた。「響子さんの作ったみそ汁が飲みたい」という、もはや求婚の言葉ととらえてもよさそうなものを、文字通りに解釈し、本当に味噌汁を用意するといったシーンもみられたほどである。対するかのんさんは、天真爛漫を絵に描いたかのような人で、いつでも明るく、ほがらかだ。邪心がなく、人を幸せにさせる人というのは、こういう人をいうんだろうなとさえ思えてくる。そんななかでも特筆したいのが、かのんさんは非常に褒め上手な点。「かっこいい」「かわいい」「すごく頼もしいです」など、人が欲しがる言葉を、普通なら恥ずかしがっていえない言葉を、屈託なく言う。いわれた相手はもうイチコロで、どんな人でも、かのんさんを好きになってしまう。というわけで、性格の面では、かのんさんの勝利だろう。

 結局、両者1勝1敗1引き分けと、勝負はつかなかったが、響子さんという巨大な相手に対し、かのんさんが善戦したことは疑いようのない事実。どうやらこの新人、底知れぬ実力をもっているようだ。今後の彼女の動向から目が離せそうにない。