『ドラゴン桜』作者が指南! プレゼンの極意はマンガに学べ!

仕事術

更新日:2013/3/29

 ビジネスパーソンにとって悩みのタネは、何と言っても企画のプレゼンテーション。社内はもちろん、他社と競り合うプレゼンでは、いかに相手の胸をつかむか、プレゼン本で勉強に励んでいる人も多いかもしれない。そんななか、一風変わったプレゼン指南書が発売された。なんと、効果的なプレゼンの真髄は、マンガにあるというのだ。

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 その本『プレゼンの極意はマンガに学べ』(講談社)の作者は、阿部寛主演で人気を博した『ドラゴン桜』で知られるマンガ家・三田紀房。「プレゼン資料とは、ただの企画書ではない。文字とビジュアルで魅せる“物語”であり、ひとつの作品だ」と言い切り、マンガが持つ「伝える技術」を応用すれば、心を動かすプレゼンができるというのだ。

 たとえば、プレゼンに必要なもののひとつは、「もっとこの人の話を聞きたい!」と思わせる力。これは、「マンガの世界でもまったく同じ」だという。優れたマンガの第1話目というのは、物語を説明しながらも、読者の好奇心を煽るための「謎」が巧みに用意されているもの。プレゼンでは、伝えたい思いが先走って説明過多になりがちだが、ここはマンガにならって「気になる謎」という好奇心をかき立てるフックをあえてつくるのだ。

 さらに、「意表を突く仕掛け」も重要な要素。「とんでもない極論・暴論」で打って出るのもいいし、「平凡な意見や提案」だとしても「文脈を変えること」で意表を突くのだ。しかし、ここで大切なのは「7割のリアリティ」。マンガでは、ベースにリアリティがあってこそはじめて「非常識」という意表が活きてくる。リアリティのない「非現実」を描いても、読者は醒めてしまうものだ。プレゼンでも、奇をてらって意表を突くときは、具体的な根拠となる数字をあきらかにし、グラフィカルに視覚化することで現実味をきちんと担保するのがポイントなのだ。

 このほかにも、コンセプトを箇条書きのキャッチコピーではなく台詞に変換することで人により伝わるものにしたり、魅力的なライバルキャラをつくるように競合他社との比較を行う秘訣など、すぐに使えるビジネススキルがもりだくさん。何より、『ドラゴン桜』第1話目をまるまる掲載した上で説明が展開されるため、一般のビジネス書よりも格段にわかりやすく読みやすいのがありがたい点。難しいこともわかりやすく読めてしまうという、マンガの威力が感じられる1冊だ。

 著者インタビューでは、「プレゼン資料の作成は“仕事”じゃない」「あなたにとっての“仕事”とは、そのビジネスを成功に導くことです」と話している三田。『ドラゴン桜』の主人公・桜木を彷彿とさせる力強いコメントだが、本書はきっと、桜木のようにあなたを後押ししてくれるはずだ。

■『プレゼンの極意はマンガに学べ』刊行記念 三田紀房インタビュー(オフィシャルサイト)
http://mitanorifusa.cork.mu/features/2355/