中卒からカリスマαブロガーへ! 人生を変えるコガイダン流読書指南

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更新日:2013/4/2

 以前は電車で本を読んでいたけど、最近はもっぱらスマホいじり……なんていう人は多いはず。しかしこの本を読んだら、きっと書店に行きたくなる。それが『本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする“読自”の技術』(朝日新聞出版)だ。

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 作者は、堀江貴文が東大在学中に立ち上げたオン・ザ・エッヂで、プログラマーとして起用され活躍した小飼弾。書評を主な題材としたブログで、月数十万円アフィリエイト収益があるとも言われる氏が、自身の生い立ちも含めて「読書」がどれほど人生に深い影響を与えるかについて書いている。

 小飼氏は、年に5000冊、なんと2時間で20冊読破可能という読書のエキスパート。彼の読書術はあらゆる意味で雑食だ。「ジャンルを問わず」「作家を決めず」「批判的な目を持ち」「読んだらそのことを発信しろ」。ビジネス書や自己啓発本だけを読んでいては成長できないし、同じ作家の意見に心酔してばかりでもいけない。あくまで本は「自分が主体となって読むべきもの」だから、批判精神を持ちながら読むことで脳が鍛えられる。そして、SNSやブログで「自分はこんな本を読んだ」と発信すれば知識が循環する。自分の意見を言うトレーニングになり、それが蓄積された数年後には、自分の成長ぶりも分かる。本をたくさん読んでいる人のほうが、実生活で話すネタに困らず、パーティ三昧の人よりよっぽどリア充になれるというのだ。

 実は、中学時代は登校拒否、さらに家庭内暴力から逃げるために毎日図書館へ通っていた小飼氏。その頃培った速読技術でむさぼるように本を読み、15歳で大検を取得、17歳のときにアメリカの大学へ進む。留学時代に実家が火事で全焼するという事件も起きるが、それほどのつらい経験をしても悲観的にならなかった。なぜなら、物語世界に没頭することで、目の前の学校や会社や家庭だけが自分の世界じゃないと気づいていたし、たくさんの本を読んでいたことで、トラブルは世界中で起きており、自分ひとりが悲劇の主人公でないことがすぐに分かったからだという。

 

 小飼氏は、読書で損をすることは万にひとつもないと力説する。本代につぎこんだお金は最後には何倍にもなって自分に返ってくる。「何円分以上買う」と決めて書店に行くなど、本の買い方や選び方も多様に紹介されている本書。スマホやネット、TVにあてていた時間をすぐに読書に移行したくなる、刺激的な読書指南術だ。

文=菅原信子