『図書館戦争』の岡田准一、出演を決めたのはダ・ヴィンチ読者!?

芸能

更新日:2013/4/8

 有川浩の代表作『図書館戦争』が、単行本刊行から7年を経てついに実写映画化される。本を守るため、銃を手に取る──。誰もの胸をときめかすラブコメでありながら、戦争映画としてのリアリティも実現。このタイミング、このチームだからこそ、本作を実写化することが可能となった。『ダ・ヴィンチ』5月号では、有川浩と主演俳優・岡田准一の対談を掲載している。

 ――『ダ・ヴィンチ』の2011年5月号で、もしも『図書館戦争』が実写化されたら主要キャラクターを演じるのは誰? という、読者アンケートによる誌上キャスティング企画が掲載されました。「堂上」の1位は、岡田さんだったんです。ちなみに「郁」の1位も、榮倉さんでした。今回の実写化は本誌読者待望のキャスティングなんですが、この結果のことはご存じでしたか?

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【岡田】 実は……知ってます(笑)。母親が『図書館戦争』が好きで、僕も読んでいたんですよね。仕事に関しては普段口を出さない母親が、「『ダ・ヴィンチ』で1位になってたよ」と。「やらないのか?」と。

【一同】 (笑)

【岡田】 やるもやらないも、オファーきてないからって言ってたんですけど、そしたら1年後くらいですかね、今回のお話をいただいて。これはやる運命なんだ、と思いました。たぶん『ダ・ヴィンチ』さんのおかげで、僕は堂上になれたんだと思います(笑)。

【有川】 ここまで読者さんの意見が一致することって、なかなかないと思うんです。しかも得票数を見ると、ぶっちぎりの1位だった。

【岡田】 有川先生は、小説の中でそこまで細かく書かないですよね、容姿だとかは。

【有川】 そうなんです。細かく書かないで読者さんの想像にお任せするようにしているのに、こんなに一致する。岡田さんにやっていただくしかない役だったんじゃないかなあ、と。

【岡田】 プレッシャーは感じていましたけどね。読者さんがたくさんいて、アニメ化もマンガ化もされていて、キャラクターにまでファンがついているような大きな作品ですから。脚本次第で、ハマるかこけるか、どっちかだなって思っていました。

【有川】 そこは私も危惧した点だったんですが、脚本の方(野木亜紀子)はまだお若いですけれども、「あと2年もしたら、順番が取れなくなっちゃうだろうな!」って思いますね。あれだけめちゃくちゃな話を、あの尺で過不足なく、しかも、あらすじでなくまとめる力って、すごいですよ。

【岡田】 「めちゃくちゃな話」(笑)。

【有川】 「荒唐無稽」って言い換えます(笑)。脚本には佐藤監督のご意向もたくさん入っているんだと思いますが、撮影前に監督からメールをいただいたんですよ。「どんな荒唐無稽な世界でも、僕はリアルを成立させることができると思っています」と。そのメールをもらった時に、「絶対大丈夫。お任せできる」と思いましたね。この作品を実写化するのは相当ハードルが高かったと思うんですが、このチームで良かったなって本当に思います。

 本誌では撮影の裏話や、ファンタジーをリアルに演じることに対する姿勢についてなど、4ページにわたる対談が掲載されている。

取材・文=吉田大助
(『ダ・ヴィンチ』5月号「有川浩特集」より)