目指せギネス記録! 世界一飛ぶ紙ヒコーキが作れる本

暮らし

更新日:2013/4/15

 1枚の平らな紙が、立体へと変化を遂げ、空へと羽ばたくというあの感動。子供時代に、紙ヒコーキの魅力にハマったことがある人も多いだろう。そんな万国共通の遊び道具が、最近あらぬ使い方をされ、話題を集めているという。

 インドのとある州の全高校で行われた進級試験。そこで、1601人もの生徒のカンニング行為が発覚したという。驚くべきは保護者も子供のカンニングに加担していたということ。なんでも我が子に向けて解答を書いた紙ヒコーキを飛ばしたのだとか。協力保護者100人が拘束されたという。そもそもきちんと自分の子供に届くのだろうか? コントロールテクニックはいかほどなのだろう? いろいろ気になる事件だ。

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 そんな、大人さえも虜にしてしまう(?)魔性の玩具・紙ヒコーキ。インドのカンニング騒動後、ほどなくして発売されたのが『世界一飛ぶ! 紙ヒコーキBOOK』(宝島社)だ。

 監修を行っているのは、「紙ヒコーキの室内滞空時間29秒2」というギネス記録を保持している戸田拓夫氏。折り紙ヒコーキ協会会長であり、紙ヒコーキの第一人者だ。注目の新刊には、ギネス記録に認定されている「世界一飛ぶ紙ヒコーキ」など、15機種が作れるヒコーキ用紙が付いている。それはただの折り紙ではなく、国産の竹を原料にした「竹紙」というB5サイズの紙。軽くて適度な厚みがあり、紙ヒコーキに適している。完成時に美しい模様になるよう、色とりどりのデザインにもそそられてしまう。

 さっそく折ってみよう! とその前に、さすがはギネス級、折り方にもルールがあるらしい。しっかりと、微妙なすきまをあけて、定規を使って折るのだという。なるほど、これは幼少時に折ったそれとはまったく違いそうだ。また、翼の後方を少し折り曲げて「昇降舵」なるものをつけると、よりギネスに近づけるらしい。その他、遠くへ飛ばす方法や、長時間飛ばす方法といった飛ばし方についてのコツも網羅されており、達人が惜しみなくその技術を伝授してくれている。

 この本を使って作れる15種類の紙ヒコーキは、長距離型、滞空型、デザイン重視型、最新型の4タイプ。滞空時間20秒以上のギネス改良モデル「ハヤテ」や、B2サイズの紙から作る超大型機「ジュピター」など、大人が思わず夢中になってしまいそうな内容だ。

 暖かくなって外に出るのが気持ちいいこの季節。自分の愛機を作って、思う存分飛ばしてみるのもいいかもしれない。が、決して間違った使い方をすることのないように気をつけよう。

文=廣野順子(Office Ti+)