グロかわいいと話題沸騰の『カツオ人間』に話題のあの人が登場!?

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/23

 今、「グロかわいい」「キモかわいい」と話題のカツオ人間。みなさんは、ご存知だろうか? これは高知のご当地キャラで、その名の通りカツオと人間をモチーフにしたもの。そんなカツオ人間が人気になってきた理由は、なんと言ってもそのインパクトの大きさにある。カツオ人間の頭は魚のカツオそのままで、おまけにぶつ切りにされた後頭部からは赤身と骨が! 顔も体も白と黒のモノトーンなだけに、振り向いたときに見える赤身の色は強烈。もはやご当地キャラも、ただかわいいだけでは生き残れない世界になっているのだ。

 そんな彼が、4月3日に『カツオ人間写真集』(チームカツオ人間/角川書店)を発売した。売り切れ続出で重版も決まったというこの本から、カツオ人間の魅力をもっとたくさん知ってもらおう。

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 高知県民と同じく、とにかくお酒が大好きなカツオ人間。とっくりを床に転がすほど飲みまくって酔いつぶれたり、外が明るい時間にも酒を飲んで飲食店が並ぶ55番街の路地裏で「酔うたき…」と壁にもたれている。Barや居酒屋、宴会も大好きなようで、〆はラーメン派。

 そんなカツオ人間の特徴はとにかく顔が大きいこと。写真集の中でも坂本龍馬の顔をくりぬいたパネルからは目の部分しか出ないし、龍河洞という鍾乳洞に行っても入口から5メートルのところでつかえてしまう。

 また、“いごっそう”と称される高知県民は、津軽じょっぱりや肥後もっこすと並んで日本三大頑固とも言われているそう。でも、この“いごっそう”には快男児とか気骨のある男といった意味もあり、とても男らしい県民でもあるようだ。それは、女性への対応にも表れている。はりまや橋でおねえちゃんと待ち合わせしているときも、周りからジロジロ見られて「ラブラブオーラが隠せんがやろうかねぇ」となんだか自慢気で、長宗我部元親初陣の像のところではカッコよくポーズを決めて「どうで、かっこええろう?歴女がきゃあきゃあ言いゆうが聞こえてくるちや」。カツオ人間のTシャツを着た人を見ると「出た!カツオ人間Tシャツを普段着にする人」なんて言っているが、その人が女の人なら「ちょっと嬉しいきサービスしちゃったで」とハグしてあげるのだ。そんな男らしいカツオ人間。プロフィールの性格にも「いごっそう」と書いてあるだけのことはある。

 そのように、他の女の人にはちょっと見栄っ張りな印象だが、彼が唯一デレデレ(?)になっている女性がいる。それが、5月11日には映画も公開される『県庁おもてなし課』(角川書店)の原作者である有川浩だ。この“県庁おもてなし課”は、実際に高知県の県庁にある部署。映画の撮影も高知を中心に行われたようだが、カツオ人間はその撮影現場にも現れ、「ヒロちゃんの顔、こんまいねぇ」と後ろから見つめたりしている。おまけに、2人きりで漁港に行ったときは「ヒロちゃんとお昼、ヒロちゃんとお昼」とはしゃぎ、お弁当を「あーん」してもらって照れているのだ。さらに、手をつないで、民宿「きよとお」から出てくる写真も!

カツオ人間写真集』の帯も有川が書いているし、『県庁おもてなし課』文庫の帯でも『カツオ人間写真集』の紹介がされている。もともとカツオ人間が注目され始めたのは2011年の有川のブログもきっかけだという。そこでは「カツオ人間ラブ」というタイトルで彼への愛を語っている。カツオ人間を「かわいいと思える人とは仲良くなれます」と語り、カツオ人間に一目会うためだけにスケジュールを調整したり、カツオ人間のストラップを買うために高知へ里帰りしたというから、有川のほうもなかなかの気の入れようだ。一緒に高知を盛り上げていく者として何か通じるものがあったのだろうか?

 しかし、恋人の聖地と言われる室戸岬灯台はカツオ人間ひとりで訪れており「この岬は“恋人の聖地”って言われゆうらしいがよ。そんなくに、ひっとりで来てどうするがなえって話やろ」と寂しげに佇んでいる。いつかヒロちゃんと一緒に室戸岬灯台に行けるといいね。