元NHKアナ堀潤が選ぶ「新社会人が社会に立ち向かう武器本」
更新日:2013/8/2
5月。自分の仕事の理想と現実に思い悩む新社会人も多いのでは? 12年勤めたNHKをこの春退社し、フリーのジャーナリストとして活動する堀潤さんが、武器となる本を授けてくれたラコ〜!
堀 潤・NHKアナウンサー時代は「Bizスポ」や「ニッポンのジレンマ」などを担当。2013年4月より、フリーのジャーナリストとして、パブリックアクセス(放送への市民参加)の実現と市民による発信力の強化に貢献することを目指して「8bitNews」で活動中。
- 1位
- 今の日本の問題を答えられるか?
- 著者名:宇野 常寛
- 発売元 : 第二次惑星開発委員会
- 価格:1,944円
新社会人より少し先輩、30代周辺の若手論客たちの考えが一同に集まる雑誌です。編集長の宇野常寛君は、「日本の法律や年金制度は戦後のOSを利用したシステム。家族構成やライフスタイルが変わった今でもそのOSを使っているから破綻する」と語っています。教養は、自分の武器になる。今の日本の問題を知ることで、自分たちが何をするべきかを考えるきっかけにもなるし、オトナたちとそういう議論ができれば、「こいつやるな」って見てもらえますよ。
- 2位
- 歴史を知り、未来を考える。
- 著者名:與那覇潤
- 発売元 : 文藝春秋
- 価格:1,620円
実はこの「中国化する日本」の「中国」って、宋朝のことなんですよ。宋というのは身分制度がなく、科挙によって実力のある人が登用された時代。貿易も盛んで、中央政治で、開かれた世界。その時代に日本がようやく追いついた、という意味です。気になるでしょう? どんなビジネスの分野でも、グローバル化が大きなテーマだと思いますが、それにどう対応するのかは歴史的背景も重要なファクターです。この本は新しい視点から日本史が学べて面白いですよ。
- 3位
- 原発について考える
- 著者名:開沼博
- 発売元 : 青土社
- 価格:2,376円
原発問題に対して、放射能が怖いから逃げるべき、いや逃げなくても大丈夫など、福島の中でも意見は分かれてしまっている。もちろん外野も、身勝手なことを言いますよね。実は、放射能の影響については専門家の中でも意見が統一されていないほど、正解が出ていないんです。日本全体の話と日本の復興の経済成長を考えていくのに、原子力災害にどう向き合うのかは勉強した方がいい。そしてもっと重要なのは、社会としてそれぞれの意見を尊重することだと思います。
- 4位
- 周囲を信じる心が自分を愛する心につながります
- 著者名:乙武洋匡
- 発売元 : 講談社
- 価格:821円
乙武さん、すごく前向きで明るいじゃないですか。その理由をご自身で考えたとき、自分を愛する力を親や仲間達が自分に教えてくれたからだって書いてあるんですよね。小学校の教員だったときも、どんな問題児の小学生でも、その子を否定せず、自信をつける何かを見つけてあげた。乙武さん自身がそう導かれていたんでしょうね。新入社員のみんなもね、ダメなオトナ達がいたら、「○○先輩は自分を愛する力を持っていますか」って投げかけてあげればいいんですよ(笑)。さわやかな空気を呼ぶと思います。
- 5位
- 伝え手としての本質がここにある
- 著者名:宮沢賢治
- 発売元 : ミヤオビパブリッシング
- 価格:1,026円
『雨にも負けず』って、メディアの本質だなと思うんです。困っている人がいたら助けてあげて、悲しんでいる人がいたら話を聞いてあげて、頑張っている人がいたら応援する、これこそが伝え手の役割なんじゃないかと。社会に出て働き始めると、失敗や後悔の影響範囲が広くなりますよね。面倒でしんどいこともあります。そんなときこそこの詩を思い出してほしい。目の前の仕事をする、そして何か問題に気付いたらアクションする。それでいいんです。
「新社会人のみんなに、自信を持ってオススメしたい5冊です。僕自身の武器にもなっている。政治がダメだから、会社の上司がダメだからって、思うことはあってもそれじゃ自分は変わらない。そんなときに自分には何ができるだろうって思ってもらいたいんですよね。高い理想を掲げなくても、助けてくれる人は必ずいるから、社会を信じて頑張れ!」
堀さん、ありがとラコ〜! GW中に勉強したくなるラインナップラコね! 他にもこんなテーマのランキングが知りたい!というのがあったら @bookrako までよろしくラコ!