最近の料理マンガがエロマンガ化している!?

マンガ

公開日:2013/5/1

 『美味しんぼ』(雁屋 哲:著、花咲アキラ:イラスト/小学館)や『クッキングパパ』(うえやまとち/講談社)、『信長のシェフ』(梶川卓郎、西村ミツル/芳文社)など、料理のレシピ本としても使える料理マンガは昔から人気が高い。しかし、最近の料理マンガは少し変わってきている。どの本もおいしそうな料理が満載なのは確かだが、食事のシーンがかなりエロく見えるのだ。そのきっかけになったのは『花のズボラ飯』(久住昌之、水沢悦子/秋田書店)。主人公である花が食事する姿だけを見れば、エロマンガと言われても納得できる。そして、そんな『花のズボラ飯』の流れを汲んだ料理マンガがたくさん登場しているのだ。

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 まず、食べる仕草や表情がなんともエロい『幸腹グラフィティ』(川井マコト/芳文社)。主人公はひとり暮らしで料理が上手な中学生・リョウ。彼女が同い年のはとこ・きりんや予備校のクラスメイト・椎名のために腕をふるうのだが、とにかく彼女たちの食べっぷりがエロいのだ。屋台で汗とよだれを足らしながらイカ焼きにかぶりつく姿や卵入りの麺つゆを飛ばしながらそうめんをすする姿。熱々のお鍋をあーんしてもらって食べたり、筍ごはんを食べながら「んおこげ大好きれす…」なんて舌ったらずなしゃべり方をされたら、ついついいろんな妄想が膨らんでしまう。それに、顔を上向けてお吸い物を飲む仕草もグッとくるし、その後満足気に微笑みながら息をつくところも色っぽい。また、炭火で焼いた秋刀魚を少しかじって口のなかに広がる味わいに恍惚の表情を浮かべたり、うな重を口いっぱいに頬張って涙目でごはんを噛みしめたりもする。口の周りには米粒がいっぱいついているのに、それさえもなんだかそそられる。箸をくわえて、そこに残っている味までもちゅうと音をたてて吸い尽くす姿がエロくないはずがない。

 また『くーねるまるた』(高尾じんぐ/小学館)の主人公でポルトガルからの留学生であるマルタさんも、彼女たちに負けず劣らずエロい食べっぷりを披露してくれる。熱々の小籠包やオイルサーディンを頬張って、口に手を添えながら涙目になり、はふはふと熱さをこらえる姿はたまらない。しかし、彼女のエロさはその食べ方だけじゃない。マルタさんは、食べ物について考えているだけでもなんだかエロい表情になってしまうのだ。実家から届いた荷物に頬擦りしながら顔を赤らめ、うふっと意味深な笑顔を浮かべたり、風呂上がりのビールがないだけで思わず涙目になるところもキュンとくる。また、蟹のディップを思い浮かべただけで目がトロンとしてきて顔はポーッと赤くなるし、口も半開きになってよだれまでこぼしちゃうのだ。料理を食べなくても、想像しただけでこんなに幸せそうな表情になれるのはある意味すごいかも。

 でも、そんな『くーねるまるた』よりもさらに上を行く作品が登場した。それが4月4日に発売された『食戟のソーマ』(附田祐斗、佐伯 俊:著、森崎友紀:原著/集英社)だ。この作品では、実家が下町の定食屋で料理人を目指している中学生・幸平創真の料理を食べた人が料理を食べてさまざまなインスピレーションを受けるのだが、そのインスピレーションがエロマンガかと疑うほどのものなのだ。たとえば、料理学校への編入試験でふりかけごはんを作ると、審査員の薙切えりなは「天使の羽で愛撫されているかのような」感覚を抱き、実際に全裸に布1枚まとっただけの彼女が天使の姿をした創真に布を引っ張られたり羽でくすぐられながらもだえる姿が描かれている。おまけに、そのふりかけごはんを食べただけでえりなは立っていられないくらい腰砕けになってしまうのだ。また、創真の実家に地上げ屋が来たときは彼らになんちゃってローストポークをふるまうのだが、1口食べれば口のなかに広がる肉汁に全身がビクッビクッと反応してしまい、食べ終わった彼らは満足そうに上気した顔でくたっと床に倒れてしまう。さらに、炙りゲソのピーナッツバター和えというなんともマズイ料理を提供されたクラスメイトの倉瀬真由美も「身体じゅうをまさぐられる様な不味さでした…」と語り、制服が破れて最終的には下着姿になってしまった彼女の体に巨大なイカが絡みつく姿を想像する。まさに、エロマンガに出てくるようなイラストが満載なのだ。

 人は、欲求が満たされると幸せを感じるもの。だから、美味しい食事をして食欲が満たされたときと、気持ちのいいセックスをして性欲が満たされたときに同じような表情になってしまうのは仕方のないことなのかも。もしも、エロい表情で食べている人を見かけたら、その料理はとても美味しいはずなので食事を選ぶ際の参考にしてみては?